ボストンで13年働いた研究者が、アカデミック・キャリアパスで切磋琢磨する方法を発信することをめざします。
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論文やグラントを書く能力は研究者として生きて行くためには磨き続けなくてはならない力の一つである。マサチューセッツ工科大学 (MIT) での「Technical Writing」のコースで強調していることの一つがアブストラクトの重要性である。

論文で最も大切なパーツはアブストラクトだ
(ABSTRACT is the single most important section in a report or journal article.)



日々出版される新しい科学論文の数は膨大である。一部のトップジャーナルと自分の領域に直接関係する専門誌に掲載された論文を除いて、普通の週刊誌を読むように目次から論文を読むということはない。ほとんどの論文は雑誌の目次からは読まれない。ただ、Pubmedで検索されるだけだ。

研究者が目を通さなければならない科学論文の数は膨大である。したがって、ネイチャーの目次でもPubmedでの検索リストにせよほとんどの論文はタイトルで読む必要なしと判断される。そして、ほんの一握りの論文のみアブストラクトが読まれ、研究者の貴重な時間を費やして全文を読む価値があるか判断される。よって、読者に全文を読んでもらうには、その気にさせるアブストラクト・ライティングが重要となる。

しかしさらに、一日24時間と限られた時間内で研究者がカバーすべき情報量がますます増えるなか、たとえ同じ領域の研究者においても、Pubmedで表示されるアブストラクト(+タイトル)のみで多くの論文は評価される。

自分の論文はサイエンス・コミュニティーにおいて99%に近い確率で、アブストラクト(+タイトル)としてのみ消費されることを認識(覚悟)する必要がある。

周知のように、

アブストラクトのポイントは (Abstracts focus on:)
・目的 (Purpose of research);
・結果 (Principle results);
・結論 (Major conclusions).



であるが、優れたアブストラクトを書く重要なTipsは:

1)本当に重要(クリティカル)な情報のみを入れる
2)できる限りSelf-containedにする(アブストラクトだけ読んで理解できる)
3)本文が完全に完成してからアブストラクトを書く(自分の中で内容が完全に消化された後で)
4)アブストラクトを書く十分な時間を最初から計算に入れる(これは重要!!)
5)読みやすさ(Readability)を意識する(専門領域外の人からのフィードバックを)
6)略語・略記は広く知られているもののみ使用する


当然のことばかりであるが、すべてを実践するのは容易ではない。



関連エントリー:
Pubmedを賢くする
<http://harvardmedblog.blog90.fc2.com/blog-entry-85.html>


PS: June 23, 2007
関連ブログ:
柳田充弘の休憩時間 Intermission for M. Yanagida「論文を自分で書く





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テーマ:教師のお仕事 - ジャンル:学校・教育

似たようなエントリーが
http://hisashim.livejournal.com/352391.html
上記のサイトに島岡さんのエントリーの一部をそのままコピーアンドペーストしたと思われるものがあるので、コメントさせていただきました。
【2009/01/30 Fri】 URL // Elliot #- [ 編集 ]

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プロフィール

Motomu Shimaoka

Author:Motomu Shimaoka
島岡 要:三重大学医学部・分子病態学講座教授 10年余り麻酔科医として大学病院などに勤務後, ボストンへ研究留学し、ハーバード大学医学部・准教授としてラボ運営に奮闘する. 2011年に帰国、大阪府立成人病センター麻酔科・副部長をつとめ、臨床麻酔のできる基礎医学研究者を自称する. 専門は免疫学・細胞接着. また研究者のキャリアやスキルに関する著書に「プロフェッショナル根性・研究者の仕事術」「ハーバードでも通用した研究者の英語術」(羊土社)がある. (Photo: Liza Green@Harvard Focus)

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