ボストンで13年働いた研究者が、アカデミック・キャリアパスで切磋琢磨する方法を発信することをめざします。
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柳田先生がご自身のブログ「柳田充弘の休息時間」で理系研究者とくにポスドクをvitalizeし流動性を高めるひとつの方法として「博士取得者の実質的に優遇というか、それにふさわしい待遇を与える」ことを提案されている。これは非常に良い提案であると思う。この提案を見たとき最初の数分は「順序が逆で、まず博士課程のプログラムを充実させて、各界から必要とされる人材を創り出すことが先決ではないか」と感じた。しかし、実際に現在Ph.D. holderなしで動いているシステムに、Ph.D. holderを送り込むにはかなりの抵抗が予想されるので、まずは何らかの「仕掛け」が必要であると思う。(Ph.D. holderなしで動いているシステムはPh.D. holderを必要としないとは限らない;Ph.D. holderを投入することにより中~長期的にチームのパフォーマンスが上昇するというのがこの提案の仮説である。)Momentumを造り出すためには「仕掛け」作りと、プログラムの充実は同時進行する必要がある。

これに関連して3つのことを整理したい。
1)私自身Ph.D. holderであり、若いPh.D. holderの活躍の場所が増え、理系の地位が向上することは、長い目で見れば研究者の増加や研究費増大など自分の利益にもつながる可能性がある (disclosure)。

2)Ph.D. holderがチームのパフォーマンスが上昇させるためには、昨日のエントリーでも述べたTechnical detailsを抑え、ストーリーを語るサイエンス・コミュニケーションの技術が不可欠である。(でないと「専門バカ」というstigmaを払拭することはできないし、チームやサービスの受け手に貢献することは難しい)

3)「ポスドク」問題を含めすべての社会問題はmulti-factorialであるという視点を忘れてはならないといつも自分に言い聞かせている。多くのひとが抜本的な改革や提案を熱望するのは理解できる。また、シンプルで力強い提案が支持を集めやすい。しかし問題がmulti-factorialである限り、問題をピースに分解できてもそれらはinter-connectしており、単純化は魅力的であるが危険である。したがって、柳田先生のご提案もMagic bulletではないだろうが、長期的にScience & Technologyの分野での日本の競争力を高める戦略のポートフォリオのひとつに考慮する価値があると思う。

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テーマ:研究者の生活 - ジャンル:学問・文化・芸術

博士課程学生の待遇について
はじめまして、私も博士号取得者の扱いについていろいろと思うところあり、ブログで書いております。
博士課程の充実を図る上できちんと待遇制度を設けることも必要だと思い、それについて私の経験も書いているので見に来ていただければ幸いです。
http://hyoryudr.blog111.fc2.com/blog-entry-24.html
【2007/08/06 Mon】 URL // 漂流博士 #xfH9rAAU [ 編集 ]

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Motomu Shimaoka

Author:Motomu Shimaoka
島岡 要:三重大学医学部・分子病態学講座教授 10年余り麻酔科医として大学病院などに勤務後, ボストンへ研究留学し、ハーバード大学医学部・准教授としてラボ運営に奮闘する. 2011年に帰国、大阪府立成人病センター麻酔科・副部長をつとめ、臨床麻酔のできる基礎医学研究者を自称する. 専門は免疫学・細胞接着. また研究者のキャリアやスキルに関する著書に「プロフェッショナル根性・研究者の仕事術」「ハーバードでも通用した研究者の英語術」(羊土社)がある. (Photo: Liza Green@Harvard Focus)

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