ボストンで13年働いた研究者が、アカデミック・キャリアパスで切磋琢磨する方法を発信することをめざします。
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NHKの「プロフェショナル 仕事の流儀」でMIT教授でコンピューター研究者の石井 裕氏の生き様に感銘を受けた。石井氏は「Tangible」というコンピューターの「Virtualな世界」とは一見相反するような概念を打ち立てたアグレッシブでオリジナリティーにあふれた研究者である。

彼の発した数々の言葉:
「出過ぎた杭は誰にも打てない」
「オリジナルこそ、命」
「WHY?(なぜ)」
「自分は凡人」
「超えるべき壁は、自分」
はもちろん非常に印象的であり、番組のホームページで取り上げられている。

しかし私が最も感銘を受けたのは、石井氏が38歳のときに、MITのメディアラボにリクルートされ赴任した時に、元MITメディアラボ所長 ニコラス・ネグロポンテ氏が石井氏にかけた言葉である:

(今までの)実績を捨て、新しい研究で勝負しろ

さらに、インタビューでネグロポンテ氏は次のように語っている。

It is very Japanese to be incremental.

It's also very Japanese to build on one success the next success

It's was culturally perhaps the more natural thing for him to do is to continue what he had been doing before

….(To breakthrough, he should) not just work on the previous project but really take the chance to start over…..


ネグロポンテ氏の言葉に目から鱗が落ちる思いがした。私は日本人研究者は「conservative」というのはどうもしっくりこず、適切な表現探していたが、「incremental」は実に本質をついている。「incremental」は着実に一歩一歩進むことで、日本では一般にむしろポジティブな意味合いがあるかもしれない。しかし、エッジで生き残ろうと思えば「incremental」ではだめなのだ。

新しく独立したプロジェクトを始めるときには、過去の業績、過去にエスタブリッシュした実験系、reagentsを利用して、とりあえず何らかの成果を素早く出したいと思いがちである(play safe)。しかし、play safeしたいその時こそ、実は全く新しいことを始められる数少ないチャンスの時なのである。ゼロ近くから新しいことを始めれば(experimental biologyでは)数年は業績が出ないであろう。しかしbreakthroughするためには、そのストレスと失職の恐怖に耐える信念と情熱が必要条件ではないだろうか。

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Motomu Shimaoka

Author:Motomu Shimaoka
島岡 要:三重大学医学部・分子病態学講座教授 10年余り麻酔科医として大学病院などに勤務後, ボストンへ研究留学し、ハーバード大学医学部・准教授としてラボ運営に奮闘する. 2011年に帰国、大阪府立成人病センター麻酔科・副部長をつとめ、臨床麻酔のできる基礎医学研究者を自称する. 専門は免疫学・細胞接着. また研究者のキャリアやスキルに関する著書に「プロフェッショナル根性・研究者の仕事術」「ハーバードでも通用した研究者の英語術」(羊土社)がある. (Photo: Liza Green@Harvard Focus)

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