ボストンで13年働いた研究者が、アカデミック・キャリアパスで切磋琢磨する方法を発信することをめざします。
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Ph.D. よりポスドクを経ずに独立したラボを持つスーパーポスドクについて Cell誌 (128: 1023-6, 2007)で解説されている。

Superpostdocs Reach for the Star (by Andreas von Bubnoff)

In the US and now also in Europe, a growing number of special fellowship programs, sometimes called “superpostdocs,” offer newly minted PhDs instant independence and enable them to undertake pioneering research. Job prospects for fellows are rosy, but such early independence is not for everyone.
(青字:引用)


Jim WatsonやDavid Baltimoreが30台半ばでノーベル賞を受賞したことを例にとり、創造性のピークはキャリアのかなり早い時期に来るという考え方(仮説)がある。しかし米国では、NIHのファンディング状況の悪化、研究者数のファカルティーポジションに対する相対的増加、研究内容の複雑化など複数の因子が影響していると思われるが、研究者が独立した研究室を開始できる年齢は徐々に高くなり現在は40歳前後である。

このトレンドに拮抗すべく、米国とヨーロッパの一部の大学・研究所では”スーパーポスドク”と呼ばれる優秀なPh.D.がポスドクを経ずに(または非常に短いポスドクの後すぐに)独立したラボを持てるようなプログラムを導入している (下記)。実験的ではあるが非常に刺激的な試みであり、上記の仮説をサポートする結果が数年後には得られるかもしれない。しかし、”スーパーポスドク”は現在そしておそらく将来的にもスーパースターを発掘するための特別なキャリアパスであり、一般化する可能性は低いのではないだろうか。

”スーパーポスドク”の問題点として、ポスドクを経験しないために人間関係などラボ運営のためのソフトスキルが不足するのではないかとの懸念がある。しかし、私見ではあるがPIとして人を使う能力は、実際にPIとして人を使わないと決して身に付かない。30人あまりの大きなラボで中間管理職(Instructor)として30人あまりの面倒を1年間みたことがあるが、PIとしてたった1人に対してでも最終責任を負うことのほうが比べものにならないほど難しい。

ソフトスキルは実際に自分でトライし失敗を重ねるしか身に付ける方法はない。

”スーパーポスドク”プログラム [Cell 128: 1023-6 (2007) より]
IMP Fellowship Programme; http://www.imp.ac.at/fellows/index.html
Sir Henry Wellcome Postdoctoral Fellowship; http://www.wellcome.ac.uk/node2151.html
Cambridge St. John's College Research Fellowships; http://www.joh.cam.ac.uk/research_fellowships/
Harvard Junior Fellowship; http://www.socfell.fas.harvard.edu/
Carnegie Institution Staff Associate Program; http://www.ciwemb.edu/pages/staffassoc.html
Whitehead Fellows Program; http://www.wi.mit.edu/research/fellows/index.html
Bauer Fellows Program at Harvard; http://sysbio.harvard.edu/CSB/research/fellows.html
Rowland Junior Fellows Program at Harvard; http://www.rowland.harvard.edu/rjf/index.php
Lewis-Sigler Fellows at Princeton; http://www.genomics.princeton.edu/topics/lsfellows.html
UCSF Fellows Program; http://www.sdbonline.org/pdf/UCSF_Fellows.pdf
Sara and Frank McKnight Fellowships in Biomedical Research at UT Southwestern Medical Center; http://www.mcknightlab.com
CalTech Broad Fellows Program in Brain Circuitry; http://www.broadfellows.caltech.edu/
Janelia Farm Fellows; http://www.hhmi.org/research/fellows/


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Motomu Shimaoka

Author:Motomu Shimaoka
島岡 要:三重大学医学部・分子病態学講座教授 10年余り麻酔科医として大学病院などに勤務後, ボストンへ研究留学し、ハーバード大学医学部・准教授としてラボ運営に奮闘する. 2011年に帰国、大阪府立成人病センター麻酔科・副部長をつとめ、臨床麻酔のできる基礎医学研究者を自称する. 専門は免疫学・細胞接着. また研究者のキャリアやスキルに関する著書に「プロフェッショナル根性・研究者の仕事術」「ハーバードでも通用した研究者の英語術」(羊土社)がある. (Photo: Liza Green@Harvard Focus)

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