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ボストンで13年働いた研究者が、アカデミック・キャリアパスで切磋琢磨する方法を発信することをめざします。
金曜日の夜のハーバード大学医学部の研究室群のあるArmenise Buildingの風景です。ハーバードでは金曜の夜や週末も日本と同様に多くの研究者が休まずに研究室で働いています。ロードアイランド州のブラウン大学医学部に土曜日に友人の研究室を訪ねたときに、まったく誰も研究棟にはおらず、ハーバードとの違いを感じたことがあります。
Armenise Building

昨日ポスドク研究テーマを選ぶ際には、その人の長所・強みに投資し、弱点の克服には焦点を合わせないstrength-based アプローチのことを話しました。このアプローチはポスドクに対してだけでなく、幅広く自分自身の仕事の仕方についても適応することができます。しかし、ここで問題になるのがはたして何人の人が自分の強みを正しく理解しているでしょうか。自分で自分のことを正しく評価するのは、往々にして非常に困難です。他人の資質を的確に評価できるひとが、自分のことになると全く過大または過小評価することのなんと多いことでしょうか。
一つの客観的な方法として、自分の強みを正しく評価するために私は、Marcus Buckingham & Donald O. Cliftonの「 Now, Discover Your Strengths」に記載されてあるStrengthsFinderを使いました。StrengthFinderは心理テストのような形式で各質問に自分のintuitionを5段階で答えていくことにより、34に分類されたStrength Talentsのうち、自分の強みに相当するトップ5を同定します。StrengthsFinderによる解析では、私のStrengthsは
・Input(収集心)
・Harmony(調和性)
・Significance(自我)
・Maximizer(最上志向)
・Learner(学習欲)
です。Buckinghamらは、これらのトップ5のStrengthsに合うような生き方・仕事の仕方を心がけるStrong Lifeを提唱しています。

この解析結果はほぼ自分の理解と一致していましたが、あらためて自分の強みをより客観的な方法で確認でき、自信を持ってこれらのStrengthsに合ったキャリアの構築を目指すことができます。

なお、strength-based アプローチはBuckinghamらがより現代に合った形で導入しクレジットをとりましたが、私の知る限りでは20年以上も前に、すでにPeter F. Druckerが「自らの強みを知り」それに賭けるセルフマネジメントを提唱しています (Atsuo Ueda, Introduction to Peter F. Drucker)。
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テーマ:研究者の生活 - ジャンル:学問・文化・芸術


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プロフィール

Motomu Shimaoka

Author:Motomu Shimaoka
島岡 要:三重大学医学部・分子病態学講座教授 10年余り麻酔科医として大学病院などに勤務後, ボストンへ研究留学し、ハーバード大学医学部・准教授としてラボ運営に奮闘する. 2011年に帰国、大阪府立成人病センター麻酔科・副部長をつとめ、臨床麻酔のできる基礎医学研究者を自称する. 専門は免疫学・細胞接着. また研究者のキャリアやスキルに関する著書に「プロフェッショナル根性・研究者の仕事術」「ハーバードでも通用した研究者の英語術」(羊土社)がある. (Photo: Liza Green@Harvard Focus)

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