研究者として最も苦しい時間はNIH R01グラントを書いているときかもしれない。書き始めるまでが一番しんどい。コアとなるアイデアを考え抜いて、文章にするプロセスは莫大な精神エネルギーを要する。
以前のエントリーで新しいアイデアとは基本的に現存するアイデアの組み合わせであると書いた。しかし、漠然とした頭の中でのイメージや概念が湧くという状態から、それを他人を説得できるような文章にするというプロセスには大きなギャップがあり、これが (私の場合には)「生みの苦しみ」に相当する。この「生みの苦しみ」のプロセスで、考えて考えて考え抜かなければ決していい物は生まれない。
NHK プロフェッショナル・仕事の流儀で漫画家・浦沢直樹の壮絶な創造の現場を見た。浦沢はスタッフと共に連載1回分の仕事を1週間程度で仕上げるが、最初の2日間はむ「ネーム」と呼ばれる白紙に向かい大まかなコマ割と下絵・セリフを書き込む作業を自分ひとりで行う。この無(白紙)から有(ストーリー)を生み出す作業が最も芸術家(漫画家)にとって過酷であり、その人の創造性が問われる。この創造のプロセスは非常なストレスと無理な姿勢を余儀なくし、これを長年繰り返してきた浦沢氏は肩を脱臼し漫画家生命の危機に直面する。漫画家とは格闘家である。
Great Thinkerは学術の世界の中だけではない。コカコーラの元CEO Roberto Goizueta はコカコーラを全米1の企業にしたビジネスパーソンであると同時に、そのCreative Thinkingの実践者でもあった。
Goizueta氏の名言のひとつに:
"You can think through a problem so hard that you develop a sweat.“がある。
頭が熱くなり、汗をかくまで考え抜く。これが私の現在の目標だ。
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