ボストンで13年働いた研究者が、アカデミック・キャリアパスで切磋琢磨する方法を発信することをめざします。
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研究者として最も苦しい時間はNIH R01グラントを書いているときかもしれない。書き始めるまでが一番しんどい。コアとなるアイデアを考え抜いて、文章にするプロセスは莫大な精神エネルギーを要する。以前のエントリーで新しいアイデアとは基本的に現存するアイデアの組み合わせであると書いた。しかし、漠然とした頭の中でのイメージや概念が湧くという状態から、それを他人を説得できるような文章にするというプロセスには大きなギャップがあり、これが (私の場合には)「生みの苦しみ」に相当する。この「生みの苦しみ」のプロセスで、考えて考えて考え抜かなければ決していい物は生まれない。

NHK プロフェッショナル・仕事の流儀で漫画家・浦沢直樹の壮絶な創造の現場を見た。浦沢はスタッフと共に連載1回分の仕事を1週間程度で仕上げるが、最初の2日間はむ「ネーム」と呼ばれる白紙に向かい大まかなコマ割と下絵・セリフを書き込む作業を自分ひとりで行う。この無(白紙)から有(ストーリー)を生み出す作業が最も芸術家(漫画家)にとって過酷であり、その人の創造性が問われる。この創造のプロセスは非常なストレスと無理な姿勢を余儀なくし、これを長年繰り返してきた浦沢氏は肩を脱臼し漫画家生命の危機に直面する。漫画家とは格闘家である。

Great Thinkerは学術の世界の中だけではない。コカコーラの元CEO Roberto Goizueta はコカコーラを全米1の企業にしたビジネスパーソンであると同時に、そのCreative Thinkingの実践者でもあった。 Goizueta氏の名言のひとつに

"You can think through a problem so hard that you develop a sweat.“

がある。

頭が熱くなり、汗をかくまで考え抜く。これが私の現在の目標だ。


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テーマ:研究者の生活 - ジャンル:学問・文化・芸術


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プロフィール

Motomu Shimaoka

Author:Motomu Shimaoka
島岡 要:三重大学医学部・分子病態学講座教授 10年余り麻酔科医として大学病院などに勤務後, ボストンへ研究留学し、ハーバード大学医学部・准教授としてラボ運営に奮闘する. 2011年に帰国、大阪府立成人病センター麻酔科・副部長をつとめ、臨床麻酔のできる基礎医学研究者を自称する. 専門は免疫学・細胞接着. また研究者のキャリアやスキルに関する著書に「プロフェッショナル根性・研究者の仕事術」「ハーバードでも通用した研究者の英語術」(羊土社)がある. (Photo: Liza Green@Harvard Focus)

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