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ボストンで13年働いた研究者が、アカデミック・キャリアパスで切磋琢磨する方法を発信することをめざします。
町山さんの「もしドラ」の映画評論はいつもながら素晴らしい。彼は単に好き・嫌いや、感動した・つまらなかったなどの素人的な感想や印象論に終わることなく、映画の背景を解説し、内容を分析し、その構造を解説し、問題点(または素晴らしい点)を指摘し、時には代案を示してくれる。”アカデミックな映画の見方”を教えてくれる。

町山さんによれば「もしドラ」は前田敦子のためのアイドル映画であるというのが映画としての目的であるべきであったのに、その目的を果たしていないのが、この映画をダメにしている根本的な問題であるという。

またその他の問題点としては、まったく笑いがないことで、映画のなかで使われるギャグがまったく笑えないらしい。そこで町山さんによれば、ハリウッド映画で人を絶対に笑わすためのプロトコールは:
1)笑わせる部分の脚本を書く専門家がいて、笑わすシーンの脚本はその専門家が書きなおす
2)プロのコメディアンを起用する(出演させる)
3)そのコメディアンにアドリブでギャグを言わせるシーンをたくさん撮影し、そのうち本当に面白かったもののみを使用する。

笑いという生命現象が惹起されるメカニズムはおそらく完全にはわかっていなでしょう。そんな不確実性に立ち向かうには専門家の集団を擁することは必要条件ではあるが、十分ではないはず。偶然性が大きく影響する領域では、歩留まりは低く、やはり数を打たなければならないのでしょう。




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【2011/06/29 Wed】 // # [ 編集 ]

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Motomu Shimaoka

Author:Motomu Shimaoka
島岡 要:三重大学医学部・分子病態学講座教授 10年余り麻酔科医として大学病院などに勤務後, ボストンへ研究留学し、ハーバード大学医学部・准教授としてラボ運営に奮闘する. 2011年に帰国、大阪府立成人病センター麻酔科・副部長をつとめ、臨床麻酔のできる基礎医学研究者を自称する. 専門は免疫学・細胞接着. また研究者のキャリアやスキルに関する著書に「プロフェッショナル根性・研究者の仕事術」「ハーバードでも通用した研究者の英語術」(羊土社)がある. (Photo: Liza Green@Harvard Focus)

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