ボストンで13年働いた研究者が、アカデミック・キャリアパスで切磋琢磨する方法を発信することをめざします。
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ワシントンDC経由で日本に帰ってきました。ボストンのローガン国際空港ではチェックインのときに、いつもビジネス・ライクで必要最低限のことしか話さないユナイテッド航空の職員が、パスポートを見て私が日本人だとわかると「Is your family OK?」と聞いてくれた。3・11後は米国の友人やハーバード大学の同僚だけでなく、見ず知らずの方から、日本のことは心配してるよと声をかけられる事がしばしばあります。

ボストンのタクシーでは、学生時代フットボール選手だという運転手は、最近の大相撲での賭博や八百長問題のこともよくフォローしている日本ファンだと言い、日本のことを心配してくれた。私が「原発が落ち着けば、日本に来ればいいよ」と社交辞令で言うと、彼は「仕事が休めるなら、復興後の日本ではなく、今現在の日本に行って、力になりたい」と言ってくれました。

日本の新聞やテレビのニュースには、福島原発の現状や展望については重要な情報はほとんどでてきません。政府が情報統制をしているのでしょう。官房長官の「直ちに健康に影響がない」というコメントに代表されるように、国民にパニックを起こさないようにすることに主眼が置かれているようです。宮台真司氏が言うように、本当のことはあまりにも恐ろしくて公には誰も口にできない。本当の事を言えば国内でのパニックだけでなく、対外的にも日本の経済的格付けが急落していまい、すべての外資が日本から一気に出て行ってしまう危険があるということでしょう。

現状はあまりにも不確定で複雑で、専門家以外には理解が難しいので、”わたしたち”は、つい一言で簡単にわかる結論やサマリーを欲してしまいます。テレビも時間制限や視聴率の観点かも”複雑で長時間に及ぶ大量の編集されていない”情報を流すことはできないのでしょう。テレビの本来は問題を深く検討するのが目的の討論番組でさえも、短くて印象的な”クリスピーなサウンド・バイト”を意識した発現が要求されます。

その点インターネットでの放送は”複雑で長時間に及ぶ大量の編集されていない”情報でも、重要と判断すればかなり自由に流すことができるのが強みです。前回紹介した神保哲生の主宰するVideonews.comが放送するプログラム「あえて最悪のシナリオとその対処法を考える」は飯田哲也氏(NPO環境エネルギー政策研究所所長)・小出裕章氏(京都大学原子炉実験所助教)らの専門家を招き、3時間以上の生放送で福島原発の現状と展望について、本当に重要な情報を提供してくれます。



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Motomu Shimaoka

Author:Motomu Shimaoka
島岡 要:三重大学医学部・分子病態学講座教授 10年余り麻酔科医として大学病院などに勤務後, ボストンへ研究留学し、ハーバード大学医学部・准教授としてラボ運営に奮闘する. 2011年に帰国、大阪府立成人病センター麻酔科・副部長をつとめ、臨床麻酔のできる基礎医学研究者を自称する. 専門は免疫学・細胞接着. また研究者のキャリアやスキルに関する著書に「プロフェッショナル根性・研究者の仕事術」「ハーバードでも通用した研究者の英語術」(羊土社)がある. (Photo: Liza Green@Harvard Focus)

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