1.Institutional Environment(政治・経済のルールがイノベーションをサポートしやすいか) 2.Human Capital, Training, Social Inclusion(教育のレベル・女性の社会参加等) 3.Regulatory and Legal Framework(スタートアップを企業しやすいビジネス環境か) 4.Research and Development(研究のアウトプット、インフラ、パテント等/単位あたり) 5.Adoption and Use of Information and Communication Technologies(ITのインフラ、一般家庭、政府・公共サービスのIT普及度)
2.Human Capital, Training, Social Inclusionでは、日本(29位)、スウェーデン(4位)、フィンランド(3位)、米国(17位)
3.Regulatory and Legal Frameworkでは、日本(17位)、スウェーデン(11位)、フィンランド(19位)、米国(5位)
4.Research and Developmentでは、日本(4位)、スウェーデン(2位)、フィンランド(3位)、米国(5位)
5.Adoption and Use of Information and Communication Technologiesでは、日本(22位)、スウェーデン(2位)、フィンランド(7位)、米国(9位)
日本はResearch and Developmentではトップクラスですが、他のカテゴリーでは2流のようです。
科学研究費に対するインパクト: この結果をもとにして、科学研究費について考えてみます。ICIの結果の一つの解釈としては、総合的に見て日本のイノベーションを起こす力は、グローバルなレベルでは2流にランクされてしまいます。しかしその2流の位置でさえなんとか維持できているのは、Research and Developmentでの米国を総合的に上回る日本の一流のパフォーマンスのおかげであるとも考えられます。これは日本の研究者と研究に関連した仕事に就いている人が誇りにすべき素晴らしい業績だと思います。米国にくらべ日本の研究環境が劣っていると信じられていますが、おそらく非常な個人の努力もあって、日本の研究者は非常によくパフォーマンスしているのです。しかし、これは決して科学研究を減らしても大丈夫だということにはなりません。以下の3つの理由により、むしろ逆なのです。
1)Research and Developmentの最も重要なリソースである人的資源はいったん枯渇してししまうと、その回復に途方もない時間がかかるフラジャイルなものである 2)弱み(他のカテゴリー)をある程度克服することも必要であるが、強み(Research and Development)にさらなるリソースを注入するStrengths-based approachが競争力を高めるのにはより適している 3)イノベーションこそが社会に価値・付加価値をもたらし、雇用を生み出し、中長期的に貧困を減らし、社会を豊かにするものである