ボストンで13年働いた研究者が、アカデミック・キャリアパスで切磋琢磨する方法を発信することをめざします。
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研究留学ネットの門川さんが「やるべきことが見えてくる 研究者の仕事術」の書評を書いてくださいました

本書は、従来、ビジネスパーソンに向けて書かれた様々な仕事術や理論を、ビジネスパーソンとは全く異なる職種である科学者に、モディファイしながら、アプライするというあらたな試みをした一冊です。

本書は研究者ビジネス書としては、おそらくはじめての著作であると同時に、マスターピースとも言える一冊だと言えます。



私が米国で研究室を立ち上げる際に苦労した経験から、”研究者ビジネス書”の必要性を強く感じていました。門川さんが指摘されているように、今後”研究者ビジネス書”の必要性が徐々に日本でも高くなっていると思われます。

また、門川さんは最終章「創造性とは(Creativity and Effectiveness)」で、私が言いたかったことを、的確に汲み取ってくださっています。

著者はロバート・K・メルトンの言葉を引用しています。それによれば、

創造性とは誰も出来ないような斬新な考え方をする、他人とは質的に異なる「ユニークな能力」ではなく、必然的に起ころうとしている発見を誰よりも早くつかみ取る「効率のよさ」のこと


としています。つまり、本書で提唱してきた効率的に仕事をできる方法を身につけることが、研究者において創造性を高めることと矛盾しない、と著者は結論したいのだと思います。



「創造性」はトレーニングで高めることができると私は考えています。純粋な創造性というものがあるのかどうか私にはわかりませんが、ここでのカギ括弧付きの「創造性」とは社会的に決定される創造性であり、養老先生の言う「天才の条件は世の中に広く理解されること」とよく似ています。

たとえば、十数ケタの暗算ができる人は、電卓のない時代には天才と呼ばれていたが、
いまや天才とは呼ばれない。時代が価値を認めなければ天才ではない。

「天才を測るモノサシは脳の中ではなく、われわれの社会の中にある。」

                山田ズーニー:大人の小論文教室



「創造性」は発現するまであるかどうかさえ定かではありませんし、誰かが認めないかぎり発現しているということさえ定かではありません。しかし「創造性」が私的なものでなく、社会によって定義されるものであり、社会のなかにある限り、効率的に社会とつながる・効率的に仕事ができるようになるということは「創造性」へのアプローチとしては至極まっとうなものであるとわたしは考えます。

最後にニュージーランドへの休暇中にもかかわらず、書評を書いていただいた門川さんに感謝いたします。








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Motomu Shimaoka

Author:Motomu Shimaoka
島岡 要:三重大学医学部・分子病態学講座教授 10年余り麻酔科医として大学病院などに勤務後, ボストンへ研究留学し、ハーバード大学医学部・准教授としてラボ運営に奮闘する. 2011年に帰国、大阪府立成人病センター麻酔科・副部長をつとめ、臨床麻酔のできる基礎医学研究者を自称する. 専門は免疫学・細胞接着. また研究者のキャリアやスキルに関する著書に「プロフェッショナル根性・研究者の仕事術」「ハーバードでも通用した研究者の英語術」(羊土社)がある. (Photo: Liza Green@Harvard Focus)

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