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ボストンで13年働いた研究者が、アカデミック・キャリアパスで切磋琢磨する方法を発信することをめざします。
インパクトファクターについて「めざせネイチャー、ハーバード大学、研究留学」で重要なことが論じられていた。
http://boston2.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_c1f4.html

引用:誤解のないように、付記させていただくが、インパクトファクターはあくまで、その科学雑誌の「平均」引用回数であり、そこに掲載される論文がどれだけ引用されたという実質的な科学への貢献度を示すものではないということだ。(中略)インパクトファクターは「雑誌の視聴率」であり、「個々の論文自体の視聴率」ではないということは注意しておきたい。


まさに、その通りであると思う。少し言い方をかえて、American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine (AJRCCM) のエディター Martin J. Tobinは:

Despite serious limitations, this citation metric (= Impact Factor) has become the most widely used index for ranking the overall quality of biomedical journals. (Impact Factor and the Journal -- AJRCCM 2003. 168 (6): 621

つまり、インパクトファクターは「ジャーナルのクオリティーの指標である」と議論している。

それでは、ジャーナルのクオリティーのクオリティーを決めるのは何か? 大きく分けて3つある。
1)ジャーナル運営者としてのエディター、スタッフ、ハード面や広告宣伝を担当する出版社
2)Contributorsとしての研究者(Authors & Reviewers)
3)CitationするReadersとしての研究者

したがって、インパクトファクターは必ずしも個々の論文のクオリティーの指標でないが、個々の論文のクオリティーは「ジャーナルのクオリティーの指標である」インパクトファクターの重要な決定因子のひとつである。

参考に、2005年の約6000のジャーナルのうち、インパクトファクター10以上のバイオメディカルジャーナル(総説を除く)のランキングを示す(インパクトファクター10には、ただ単に切りがよい以外に特別な意味はない)。

1. CA-CANCER J CLIN 49.794
2. NEW ENGL J MED 44.016
3. SCIENCE 30.927
4. CELL 29.431
5. NATURE 29.273
6. NAT MED 28.878
7. NAT IMMUNOL 27.011
8. NAT GENET 25.797
9. LANCET 23.407
10. JAMA 23.332
11. NAT BIOTECHNOL 22.738
12. NAT CELL BIOL 19.717
13. CANCER CELL 18.725
15. GENE DEV 15.610
16. NAT NEUROSCI 15.456
17. J NATL CANCER I 15.171
18. IMMUNITY 15.156
19. J CLIN INVEST 15.053
20. MOL CELL 14.971
21. PLOS BIOL 14.672
22. DEV CELL 14.609
23. NEURON 14.304
24. J EXP MED 13.965
25. ANN INTERN MED 13.254
26. AM J HUM GENET 12.649
27. ARCH GEN PSYCHIAT 12.642
28. GASTROENTEROL 12.386
29. NAT SMB 12.190
30. LANCET NEUROL 12.167
31. J CLIN ONCOL 11.810
32. CURR BIOL 11.732
33. CIRCULATION 11.632
34. PLANT CELL 11.088
35. J CELL BIOL 10.951
36. LANCET INFECT DIS 10.521
37. SYST BIOL 10.327
38. PNAS 10.231
39. GENOME RES 10.139
40. BLOOD 10.131
41. EMBO J 10.053

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プロフィール

Motomu Shimaoka

Author:Motomu Shimaoka
島岡 要:三重大学医学部・分子病態学講座教授 10年余り麻酔科医として大学病院などに勤務後, ボストンへ研究留学し、ハーバード大学医学部・准教授としてラボ運営に奮闘する. 2011年に帰国、大阪府立成人病センター麻酔科・副部長をつとめ、臨床麻酔のできる基礎医学研究者を自称する. 専門は免疫学・細胞接着. また研究者のキャリアやスキルに関する著書に「プロフェッショナル根性・研究者の仕事術」「ハーバードでも通用した研究者の英語術」(羊土社)がある. (Photo: Liza Green@Harvard Focus)

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