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ボストンで13年働いた研究者が、アカデミック・キャリアパスで切磋琢磨する方法を発信することをめざします。
坂本龍一の夢についての語りがおもしろい。「夢をかなえるために坂本さんは何をしましたか?」との質問に対して:

あのねぇ……、何もしてないな。大体、夢ないもん。.....というのも僕自身が夢なんか持ったことないし、何かゴールを設定して、そこに向かってがんばるという生き方をまったくしてこなかった。流れに任せてフラフラと、あまり責任のない身分がいいなぁと思ってどこにも所属せずに、だから就職したこともないし、学生身分の延長でやっていて、気が付いたらYMOに入っちゃって。
ミスチルを目指して終わるな──坂本龍一かく語りき



これを私なりに正しく理解すれば、徹底して”Opportunistic”であったということでしょう。行間をよむならば:

「夢がない。何かゴールを設定して、そこに向かってがんばるという生き方をしない。」とは「自分の世の中を認識する力の限界を知りる。自分の知らないこと、つまり自分で夢見ることすらできないことの中にこそ、真にインパクトの高いこと、将来的に自分自身を成長させるようなものがあるということを悟る」ということでしょう。

「流れに任せてフラフラ」とは「世の中の流れを読み取ることに常に敏感であり、よく勉強し、ネットワークを張り巡らせ、新しいのプロジェクトのネタを見つけては、常に自分の仕事の方向性をその時々に合わせて最善な修正していく」ということでしょう。

深読みしすぎでしょうか?......確かドラッカーもイノベーションとは最大限に”Opportunistic”であるところから生まれると言っていたと思います。



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テーマ:創造と表現 - ジャンル:学問・文化・芸術

ホントにフラフラしてたんでは
深読みし過ぎだと思いますよ。
しかし、音楽に対しては真剣に取り組んだんだと思います。
【2009/03/16 Mon】 URL // ともくん #- [ 編集 ]
仰るとおり
教授は
「無意識の意識」で動いていると思います。
ですので、先生の読みは鋭いと思います。

私はカードをいじって占い等をする暗黒業種の者(!)ですが、
教授の持つ感受性は かなりアヴェレージの高い所に在るような

不思議な共鳴を呼び覚ますものがあるように思います。

【2009/04/25 Sat】 URL // maria #- [ 編集 ]
ほぼ正しいような気がします。とりあえず、すごくポジティブですよね、坂本氏。
【2010/06/15 Tue】 URL // ななし #- [ 編集 ]

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いつも楽しみに拝読させていただいている島岡要先生の「ハーバード大学医学部留学・独立日記」より http://harvardmedblog.blog90.fc2.com/blog-entry-318.html 坂本龍一の夢についての語りがおもしろい。「夢をかなえるために坂本さんは何をしましたか?」との質問に対して
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Motomu Shimaoka

Author:Motomu Shimaoka
島岡 要:三重大学医学部・分子病態学講座教授 10年余り麻酔科医として大学病院などに勤務後, ボストンへ研究留学し、ハーバード大学医学部・准教授としてラボ運営に奮闘する. 2011年に帰国、大阪府立成人病センター麻酔科・副部長をつとめ、臨床麻酔のできる基礎医学研究者を自称する. 専門は免疫学・細胞接着. また研究者のキャリアやスキルに関する著書に「プロフェッショナル根性・研究者の仕事術」「ハーバードでも通用した研究者の英語術」(羊土社)がある. (Photo: Liza Green@Harvard Focus)

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