アカデミック・キャリアパスで研究者が切磋琢磨する方法を発信することをめざします。
シロクマの屑籠(汎適所属) の『使えない個性は、要らない個性。』を読んで、かって私の「個性」に対する考えに”パラダイムシフト”を起こした橋本治の言葉を思い出しました:

「個性とは傷である」
個性を伸ばす教育と言う人の多くは、個性というものを誤解している。個性とはそもそも哀しいもので、そんなにいいものではないのである。........

一般性をマスターしたその上に開花する個性などという、都合のいいものはない。個性とは一般性の先で破綻するという形でしか訪れないーそういうものだからしかたない。個性を獲得するは「破綻」と「破綻からの修復作業」なのである
           ー橋本治「いま私たちが考えるべきこと」ー



Osamu-02-27-09橋本治の言葉が意味するものは、あまりにも多くの場面、とくに学校教育において、単なる「差異」を「個性」と取り違えているということに対する嘆きと怒りです。個性とは一般的な課題を成し遂げたことの延長線上にある「少し違った素晴らしい創造的な何か」とは本質的に異なる次元にあるものなのです。

「個性のもと」とは、一般性からは逸脱しドロップアウトしたところにあり、「役にたつ」とか「創造的」とは全く正反対の性質を含蓄する「破綻」なのです。さらに「破綻からの修復」という作業だって、その作業の最中にはそれが本当に「修復」なのか、逆にさらなる「破壊」なのかさえ本人には確信が持てません。そのうちほんの一部だけがたまたま他人や社会のニーズに合致しすることがあるのですが、そうなってやっとその作業が「破綻からの修復=個性」であったと事後承認されるのです。ですから言葉の定義上「使えない個性」というのはないのです。

また、いったん破綻から修復されればそのままずっと安定か?というと、決してそうではないのです。またそれはすぐに破綻してしましい、次の「修復か破壊か」事前にはわからない作業を開始しなければならないのです。

この終わりない、途方もなく苦しい、繰り返される作業のことを「オリジナリティー」と呼ぶことにしています。「オリジナリティー」の追求はは常に苦しいものです。でも、もし今あなたが苦しい思いをしているなら、それは必ずしも悪いことではないかもしれません。それは「オリジナリティー」に向かっている可能性があるのですから。







テーマ:創造と表現 - ジャンル:学問・文化・芸術

がんばってみます。
【2009/03/01 Sun】 URL // j #- [ 編集 ]

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橋本治「いま私たちが考えるべきこと」 「個性とは傷である」 個性を伸ばす教育と言...
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Motomu Shimaoka

Author:Motomu Shimaoka
島岡 要:10年余り麻酔科医として大学病院などに勤務. その後, Harvard 大学医学部への研究留学を期に, 非常に迷った末に医局を離れBoston で独立することに挑戦し, 現在ラボ運営に奮闘する.「実験医学」 に”プロフェッショナル根性論”を執筆. (Photo: Liza Green@Harvard Focus)

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