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ボストンで13年働いた研究者が、アカデミック・キャリアパスで切磋琢磨する方法を発信することをめざします。
スターバックスから見た、ハーバード大学医学部関連の病院の1つボストン小児病院。病院の正面にあるこのスターバックスで毎朝コーヒーを買うのが、日課です。
Children’s Hospital Boston & Harvard Medical School

今日はポスドクの候補者の面接でした。アメリカでのポスドクの候補者の面接は通常一日がかりです。私のラボでのパターンは、午前10時頃に候補者に来てもらい、オフィスで1時間ほどスモールトークを交えて話をします。その後、候補者をラボに案内し、ラボメンバーの一人と30分から1時間ほど話をしてもらいます(インディビジュアル・インタビュー)。その後セミナールームで、今までの研究内容(普通は博士課程で行った研究内容)を1時間ほどでプレゼンテーションしてもらいます。質疑応答を終えると、昼食を一緒しながら面接は続き、午後から残りのラボメンバー全員とインディビジュアル・インタビューをして、午後5時頃に再び私のオフィスで締めの面接を30分程します。そして、結果は数週間以内にメールで知らせると伝え面接が終了します。合否の決定は、ラボメンバー全員の意見と、推薦状を参考にして行います。
10年前に私がスタンフォードとハーバードに、ポスドクとしてアプライしたときにも、面接はほぼ同様のフォーマットで一日がかりでした。面接される側に取っては大変タフで何よりも気力と体力が要求されます。面接する側に取っては、確かに時間はとられますが、一日一緒にいて話をし、1時間のプレゼンテーションをみれば、研究者としての実力はある程度わかります(少なくとも、そう信じています)。

優秀な人物を雇うことはプロジェクトの成功に不可欠であるので、手間と時間は惜しみませんが、いったい面接する側はいったいいつ頃合否を心のながで、決めているのでしょうか。(詳細な数値は正確には思い出せませんが)ある心理学の研究によると、90%以上の例で面接する側の気持ちは、候補者にあって数十秒(!)以内に決定してして、残りの時間(数十分から数時間)は第一印象を確認するために使われているというのです。この研究では、プロのインタビューアー(例えば、企業の人事担当者)による30分の面接中、候補者をビデオで撮影します。そのビデオを面接に関しては素人の大学生10人程度に見せ、プロのインタビューアーと学生の面接結果(例えば、5段階評価)を比較すると、両者はほぼ一致しました。次にビデオの最初の10分だけを別の10人の学生に見せても、結果はプロのインタビューアーとほぼ一致しました。されに、最初の5分、1分、10秒と徐々に短くしていっても結果は大きく変わらず、なんと最初の10秒を音声をなしにみせても、結果はほぼ同じでした!!

つまり、第一印象でほとんどすべてが決まっているのです。候補者の側からみれば、いかにボディランゲージで語るが、面接する側からみればいかにGut Feelingを研ぎ澄ますかがキーのようです。
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テーマ:研究者の生活 - ジャンル:学問・文化・芸術

アメリカの面接
お初にお目にかかります。

実はリサーチの仕事で大学病院の2回目の面接を終えたところです。雇う側の視点が少しわかってきたような気がします。

打ち解けて英語が滑らかになるまでに時間がかかるタチなもので、第一印象は時間をかければ覆せると、ずっと思っていました・・・・。
【2007/08/16 Thu】 URL // toyojiro #- [ 編集 ]

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Motomu Shimaoka

Author:Motomu Shimaoka
島岡 要:三重大学医学部・分子病態学講座教授 10年余り麻酔科医として大学病院などに勤務後, ボストンへ研究留学し、ハーバード大学医学部・准教授としてラボ運営に奮闘する. 2011年に帰国、大阪府立成人病センター麻酔科・副部長をつとめ、臨床麻酔のできる基礎医学研究者を自称する. 専門は免疫学・細胞接着. また研究者のキャリアやスキルに関する著書に「プロフェッショナル根性・研究者の仕事術」「ハーバードでも通用した研究者の英語術」(羊土社)がある. (Photo: Liza Green@Harvard Focus)

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