ボストンで13年働いた研究者が、アカデミック・キャリアパスで切磋琢磨する方法を発信することをめざします。
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web2.0 (^O^)vで角田和司さんが、日本綜合地所で内定取り消しとなった学生に対して:

タダで働きます!と言えばよいだけ。給与をもらうため「だけ」に働きに行っているのではないのだから、本末転倒だ。実力があり誠意があれば、絶対に企業は給を出す。(※少し遅れるかもしれませんが)こういう「変わり者」が、将来の幹部候補生であり、企業の将来を左右する人材だ。だから、逆に日本総合地所は、こんな糞学生を採用しないで良かったと思う......
......どうしてこんな「糞」なんだ。大学エリート様とは、ここまで精神が壊れているのかと思う。面接の時は口先だけ。バレバレがわかるのが情けない。



と学生を貶め、”タダ働きを推奨する”独自の意見を披露して、議論を引き起こしている

しかし、少し”タダ働き”の解釈を拡大すれば、そんなことはだれでもやっているのです。内田樹先生がおっしゃるように、仕事をするということはつねにオーバーアチーブであり、与えられた報酬分だけ働くということはほとんどあり得ないのです。オーバーアチーブつまり、自分の金銭的報酬より多く働いた分が、組織の利益となり、また自分の非金銭的報酬(スキルアップ、人脈、人間的成長)となるのです。人は常にタダ働きしているのです。タダ働きの分が組織とそこで働く人の成長を支えているのです。

おそらく、今から社会に出ようとする学生さん達もたぶんそれはよくわかっているはずで、彼ら/彼女らにとって最も大切なのは給料自体ではなく、正社員としての職歴と、職業人としてのトレーニングとネットーワークの場としての職場のはずです。もし短期的には無給であるが正社員という選択があれば、他のアルバイトで生計をたてつつも”正社員としてタダ働き”をするひとがおそらくいたでしょう。しかし、現行の法律や慣習では会社もそんな例外的な対応はできないのでしょう。(若干状況が異なりますが、かっては私を含め多くの医者は最先端の医療が経験できる大学病院でトレーニングを受けるため、アルバイトで生計を立て、無給で数年過ごしました)

雑種路線でいこうでも述べられていますが、キャリアの先行投資はたいてい”タダ働き”なのです。内定取り消しにあった学生の多くが、正社員として採用されるなら先行投資と考え短期的には無給でもよいと考えるひとも少なくないはず。しかし、無給正社員という雇用の形態が法的に認められがたいということと、企業側が新人を育てるための先行投資をできないぐらい経済的に疲弊しているというのがやはり問題で、内定取り消しにあった学生を恫喝し貶めるweb2.0 (^O^)vの意見はやはり受け入れられないと思います。


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テーマ:研究者の生活 - ジャンル:学問・文化・芸術

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【2008/12/17 Wed】 // # [ 編集 ]

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プロフィール

Motomu Shimaoka

Author:Motomu Shimaoka
島岡 要:三重大学医学部・分子病態学講座教授 10年余り麻酔科医として大学病院などに勤務後, ボストンへ研究留学し、ハーバード大学医学部・准教授としてラボ運営に奮闘する. 2011年に帰国、大阪府立成人病センター麻酔科・副部長をつとめ、臨床麻酔のできる基礎医学研究者を自称する. 専門は免疫学・細胞接着. また研究者のキャリアやスキルに関する著書に「プロフェッショナル根性・研究者の仕事術」「ハーバードでも通用した研究者の英語術」(羊土社)がある. (Photo: Liza Green@Harvard Focus)

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