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ボストンで13年働いた研究者が、アカデミック・キャリアパスで切磋琢磨する方法を発信することをめざします。
ブッシュの戦争ーボブ⋅ウッドワード;伏見 威蕃訳」より:

CIA本部では、(対テロリスト特殊作戦主任の)ハンクスが1914年に南極大陸を探検したイギリス人探検家アーネストシャクルトンの入隊募集ポスターに由来する言葉を記した札を、オフィスのドアの外側にかけていた。そこにはこう書いてあった。

”危険な旅の基幹隊員募集。報酬些少。厳寒。数ヶ月にわたる暗闇。絶え間ない危険。無事帰還危うし。成功の暁には名誉と賞賛”



シャクルトン(Ernest Shackleton)は6年前にPBS/NOVAのプログラム「Shackleton's Voyage of Endurance」を観て以来、私にとって理想とするリーダーのひとりであり、隊員募集の広告はずっと印象に残っていました。今回、思わぬところ(CIA)にシャクルトンの隊員募集のポスターが飾られていることを知ったので、ブログに書き留めておきます。

この広告はイギリスの新聞The Timeに出されたのですが、その原文は

Men Wanted: For hazardous journey. Small wages, bitter cold, long months of complete darkness, constant danger, safe return doubtful. Honour and recognition in case of success.
                      – Sir Ernest Shackleton.



普通のひとなら絶対に応募しないような、この一見超ハイリスク&ローリターンの職に5000人以上の応募があったそうです。このことは、人は短期的な金銭的報酬のみで動く訳ではなく、その仕事の意義や使命感、さらには自分の人生における長期的なインパクトが大きな決定要因になっていることを教えてくれます。






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テーマ:歴史大好き! - ジャンル:学問・文化・芸術

冒険心
i-113昨日当方も思わぬところ〔HBR(Jp):April2007〕でちょうど目にしたところたでしたので、驚きました。i-233
この文章を取り上げたアート・ディレクターの浅葉克己さんは、これを座右の銘に、「地球僻地探検家」を自称し、地球上の250以上の地点に立ってきたそうです。・・・だれもいったことがない場所へ、制作チームを連れていくのだから、当然、乗り越えるべき障害は多い。しかし、本気で思い、周囲にもしつこいく言い続けていると、自然と話が膨らみ、面白がって手を貸してくれる人が現れ、障害を乗り越えていけるようになる。この仕事を続けて50年近く経つが、不思議とこの繰り返しでやってくることができた・・・と綴っていました。ご参考までにi-267
【2008/08/24 Sun】 URL // cafe owner #yw4sqTbg [ 編集 ]
思うに現代の社会とは、至る所で

”危険な旅の基幹隊員募集。報酬些少。厳寒。数ヶ月にわたる暗闇。絶え間ない危険。無事帰還危うし。成功の暁には「もっとうまい方法があったはずだ、この無駄飯喰らい!」の暴言、民事事件の被告人となる場合あり。”

なのかもしれません。
【2008/08/24 Sun】 URL // #- [ 編集 ]

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Motomu Shimaoka

Author:Motomu Shimaoka
島岡 要:三重大学医学部・分子病態学講座教授 10年余り麻酔科医として大学病院などに勤務後, ボストンへ研究留学し、ハーバード大学医学部・准教授としてラボ運営に奮闘する. 2011年に帰国、大阪府立成人病センター麻酔科・副部長をつとめ、臨床麻酔のできる基礎医学研究者を自称する. 専門は免疫学・細胞接着. また研究者のキャリアやスキルに関する著書に「プロフェッショナル根性・研究者の仕事術」「ハーバードでも通用した研究者の英語術」(羊土社)がある. (Photo: Liza Green@Harvard Focus)

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