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ボストンで13年働いた研究者が、アカデミック・キャリアパスで切磋琢磨する方法を発信することをめざします。
人間力を磨くことが、仕事では大切であるといわれて、日本では久しいようですが、「人間力」を英語でどう表現するかなかなかよい言葉が見つかりませんでした。

若干ニュアンスは違うかもしれませんが、Wharton Schoolで Leadership Programの教鞭をとるStewart D. Friedman教授の提唱する”Total Leadership”が”人間力”に相当するのではないかと思っています。この本は読んでいないのですが、アマゾンの紹介文から察するに

Now more than ever, your success as a leader isn't just about being a great business person. You've got to be a great person, performing well in all domains of your life -- your work, your home, your community, and your private self.


Total Leadershipは:
仕事(work)、家庭(home)、地域社会(community)、個人(private)
の4つの領域でのパフォーマンスを総合的にまとめあげたものだと考えられます。

(卵が先か、鶏が先かの問題にもなりますが)人間力(Total Leadership)は仕事/家庭/地域社会/個人の4つの分野でのWin-Winである"four-way wins"を実践することによって磨かれ、また人間力(Total Leadership)は"four-way wins"を達成できる能力であると定義することもできます。

このように人間力(Total Leadership)とは簡単に身に付くものではないし、生涯をとおして磨いていくたぐいのものであり、決して新人の採用基準に取り入れるようなものではありません(参照:「人間力」を磨けなどと言っている場合ではない:本田 由紀氏)。

以前、

「人間力」という言葉は”哲学用語”である。


と書きましたが、Total Leadershipは曲がりなりにも人間力を「仕事/家庭/地域社会/個人間の4分野間での"four-way wins"」を実践できる能力とアプローチ可能な形に落とし込んでいるところは評価できると思います。

ニューヨークタイムズに連載のキャリアに関するブログShifting CareersでFriedman教授のLeadership Programを受講した学生がTotal Leadershipの素晴らしさを語っています。

total leadership
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プロフィール

Motomu Shimaoka

Author:Motomu Shimaoka
島岡 要:三重大学医学部・分子病態学講座教授 10年余り麻酔科医として大学病院などに勤務後, ボストンへ研究留学し、ハーバード大学医学部・准教授としてラボ運営に奮闘する. 2011年に帰国、大阪府立成人病センター麻酔科・副部長をつとめ、臨床麻酔のできる基礎医学研究者を自称する. 専門は免疫学・細胞接着. また研究者のキャリアやスキルに関する著書に「プロフェッショナル根性・研究者の仕事術」「ハーバードでも通用した研究者の英語術」(羊土社)がある. (Photo: Liza Green@Harvard Focus)

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