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ボストンで13年働いた研究者が、アカデミック・キャリアパスで切磋琢磨する方法を発信することをめざします。
昨日よりボストンは雪です。写真は Vanderbiltホールの中庭にあるテニスコートが雪に覆われている様子です。後ろに見えるガラス張りの建物は、ボストン小児病院の研究施設 The Karp Family Research Laboratories buildingで、Angiogenesisで有名な Dr. Folkmanの研究室が入っています。
Vanderbilt Hall


さて、昨日にひきつづき「変化」について書いてみます。村上龍氏のカンブリア宮殿で、ゲストにピーチ・ジョン社長の野口美佳氏が出演していた時のことです(ボストンでもDVDで、ほとんどの日本の番組を見ることができます)。会場から「成功するためには、苦労は買ってでもした方がよいですか?」というような趣旨の質問がありました。両氏とも回答は、「成功するためには、失敗は必要であるが、必ずしも苦労はする必要はない」というものでした。
また、中谷彰宏氏の言葉に「世の中には二通りの人間がいる。失敗も成功もしない人と、失敗はするが成功もする人」というものがあります。つまり、失敗を恐れて挑戦しなければ決して成功はないが、挑戦すればたとえ失敗しても長い目で見ればマイナスではなく、失敗から学び成長することで実はプラスになるのです。

変化」に対する恐怖感や精神的苦痛は多くは「失敗する恐怖」に由来すると思われます。この苦痛を克服しない限り人間的成長はありませんが、克服するのは並大抵のことではありません。そこで「変化 [Change] 」に立ち向かう非常によい方法「ズーム [Zoom] 」を Seth Godin氏は「 small is the new big」で提唱しています。

[Change]とは自分の立つ位置を完全にかえる大きなXXですが、[Zoom]というコンセプトは自分の立つ位置はそのままで、自分の今までなじみのない領域へ手を伸ばす(ストレッチ)することです。
例えば、
[Change]: 転職したり、研究テーマを完全に変える
かわりに、
[Zoom] :週に一度違うまったく違う研究分野の人と話したり、今まで食べたことのない国の料理を食べてみるなど、ほんの小さな挑戦を継続することです。
小さいながらも[Zoom] を続けることにより、[Change]に対する抵抗が少なくなっていくでしょう。私も現在 [Zoom] 実践中です。
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テーマ:研究者の生活 - ジャンル:学問・文化・芸術


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野口美佳  【2007/07/18 Wed】
野口美佳野口美佳(のぐち みか、1965年1月13日 - )は、下着通販会社ピーチ・ジョン代表取締役社長である。仙台市生まれ。『マネーの虎』にも出演していた。来歴・人物高校卒業後、上京しグラフィックデザインを学ぶ。デザイン事務所や通販会社などの様
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Motomu Shimaoka

Author:Motomu Shimaoka
島岡 要:三重大学医学部・分子病態学講座教授 10年余り麻酔科医として大学病院などに勤務後, ボストンへ研究留学し、ハーバード大学医学部・准教授としてラボ運営に奮闘する. 2011年に帰国、大阪府立成人病センター麻酔科・副部長をつとめ、臨床麻酔のできる基礎医学研究者を自称する. 専門は免疫学・細胞接着. また研究者のキャリアやスキルに関する著書に「プロフェッショナル根性・研究者の仕事術」「ハーバードでも通用した研究者の英語術」(羊土社)がある. (Photo: Liza Green@Harvard Focus)

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