ボストンで13年働いた研究者が、アカデミック・キャリアパスで切磋琢磨する方法を発信することをめざします。
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サイエンス・コミュニケーターを養成するシステムの重要性が日本でも提唱されつつあると思います。サイエンス・コミュニケーターとは:

(専門的な知識やデータの意味・意義をわかりやすく説明し)”社会のさまざまな場面において、ひとと科学技術(注1)をつなげる”役割をはたす人/職業


というのが一般的でしょう。広い意味では、サイエンス・コミュニケーターの仕事の社会に対するインパクトは大きく(参照:サイエンス・コミュニケーションとは戦いである)、また、研究者のオルタナティブ・キャリアパスとしても重要です。

ハーバードのわれわれの研究所でもサイエンス・コミュニケーターのリクルートを最近行い、候補者をインタビューしました。そこで雇用する側からみて、サイエンス・コミュニケーターに要求する条件/資質を考えてみました。

高いサイエンスコミュニケーション能力を持ち(注2)、チームプレーヤーであり、高い職業倫理があることは前提条件として、次の2つが重要でしょう。

1)サイエンスライター/ジャーナリストとしての能力:口頭でわかりやすく伝える能力も重要ですが、今回のリクルートでプライマリーに要求されたのは、サイエンティストの仕事をわかりやすく/興味をそそる記事にして、さまざまなメディアに配信できる能力です。よって記者としてのスキルと、ネットリテラシー、さらに、新聞社やジャーナルとのコネクションや過去にそこで働いた経験が重視されます。

2)ファンドレイジングをアシストする能力:サイエンスライターを使って情報を発信し、パブリック・アウエアネスを高める理由のひとつが寄付を集める(ファンドレイジング)ことです。政府からの研究費が減少している現状ではファンドレイジングがますます重要になっています。サイエンス・コミュニケーター自身が有能なファンドレイザーである必要はありませんが、ファンドレイジングに参加した経験や、プロのファンドレイザーをアシストする能力は大きなプラスです。

サイエンス・コミュニケーターは大きな可能性を秘めた新しいキャリアパスであると思いますが、人数が増えていけば他の職業と同様にコモディティー化するでしょう。よってサイエンスのバックグラウンドがあるだけでなく、上の2つのようなスキル/経験/ネットワークがコモディティー化を防ぐ鍵になるのではないでしょうか。



注1:Science&Technologyはしばしば科学技術と一語に和訳されることがありますが、決して1つの言葉でありません。あくまでも、Science(科学)とTechnology(技術)の2つの言葉を意味します。「科学と技術/サイエンティストとエンジニア


注2:参考ー「人間力」を磨けなどと言っている場合ではない:本田 由紀氏






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プロフィール

Motomu Shimaoka

Author:Motomu Shimaoka
島岡 要:三重大学医学部・分子病態学講座教授 10年余り麻酔科医として大学病院などに勤務後, ボストンへ研究留学し、ハーバード大学医学部・准教授としてラボ運営に奮闘する. 2011年に帰国、大阪府立成人病センター麻酔科・副部長をつとめ、臨床麻酔のできる基礎医学研究者を自称する. 専門は免疫学・細胞接着. また研究者のキャリアやスキルに関する著書に「プロフェッショナル根性・研究者の仕事術」「ハーバードでも通用した研究者の英語術」(羊土社)がある. (Photo: Liza Green@Harvard Focus)

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