ボストンで13年働いた研究者が、アカデミック・キャリアパスで切磋琢磨する方法を発信することをめざします。
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Science&Technologyはしばしば科学技術と一語に和訳されることがありますが、決して1つの言葉でありません。あくまでも、Science(科学)とTechnology(技術)の2つの言葉を意味します。便宜的にScientistとEngineerが、ScienceとTechnologyに対応して使われることが多いと思います。

Science&Technologyの「&」はときとして融合を意味しますが、またScientistとEngineerの間の心理的/物理的な壁を意味するかもしれません。NatureNewのブログ「Engineering for the better」でもふれられているように、Science&TechnologyをPure & Applied Scienceだと一般には認識されていますし、自虐的にEngineerを”long dismissed as the lumpen, dirty-handed serfs labouring at the foot of science’s lofty citadel”と表現し、一部では"Pure Scientist"よりも一段低く見られていた経緯を示してします。

実際にTechnology側もScienceやMedicineと比較してのポジショニング(Engineerのレベルではアイデンティティーの持ち方)に腐心しているようです。これはScience側では、存在意義はPure Scienceと開き直ることが可能であるし、Medicineの存在意義を敢えて問うこともあまりしないでしょうが、Technologyの場合には存在意義を常に社会との接点に求めなければならない流動的な部分があるからではないでしょうか。

上記ブログで引用されていた1984のNicholas Maxwellの「From Knowledge to Wisdom」でScience&Technologyの関係を垣間見てみると:

....社会の問題を解決するためにはNatural Science (pure science)では不十分で、知恵(intellectual priority)を問題可決に生かす新しい学問領域が必要である....
To blame science for the ills of the world is to miss the point, says Maxwell. “What we urgently need to do ― given the unprecedented powers bequeathed to us by science ― is to learn how to tackle our immense, intractable problems of living in rather more intelligent, humane, cooperatively rational ways than we do at present … We need a new kind of academic inquiry that gives intellectual priority to our problems of living ― to clarifying what our problems are, and to proposing and critically assessing the possible solutions.”



とし、

to this end, the natural sciences should include three domains of discussion: not just evidence and theory, but also aims: “this last category covering discussion of metaphysics, values and politics.”



natural sciencesに”evidence”と”theory”以外に”aims”が必要であるとしています。ここでのコンテクストではTechnologyとは”aims”を担当し、重要なことは、aimsはpoliticsと無関係でない、むしろ常に密接にpoliticsを反映するものであるとしているところです。

2008年にもどると、National Academy of EngineeringがGrand Challengesとして、Engineerが今貢献すべき14の大きな問題を掲げてきます。これはpoliticsを意識して、Engineerがいかに社会とって重要であるかのキャンペーンであります。

Grand Challenges for Engineers by National Academy of Engineering

・Make solar energy economical
・Provide energy from fusion
・Develop carbon sequestration methods
・Manage the nitrogen cycle
・Provide access to clean water
・Restore and improve urban infrastructure
・Advance health informatics
・Engineer better medicines
・Reverse-engineer the brain
・Prevent nuclear terror
・Secure cyberspace
・Enhance virtual reality
・Advance personalized learning
・Engineer the tools of scientific discovery

PS:Grand Challengesは有用なサイエンスリソースでもあり、これから何か新しいことを始めたいと考えているScientist/Engineerのトピック選択にも参考になるでしょう。またグラントライティングで(Science&)Technologyと社会との関わりについてのパラグラフが必要なときにも参考になるのではとブックマークしています。





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テーマ:科学・医療・心理 - ジャンル:学問・文化・芸術

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【2008/02/26 Tue】 // # [ 編集 ]
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【2009/03/01 Sun】 // # [ 編集 ]

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プロフィール

Motomu Shimaoka

Author:Motomu Shimaoka
島岡 要:三重大学医学部・分子病態学講座教授 10年余り麻酔科医として大学病院などに勤務後, ボストンへ研究留学し、ハーバード大学医学部・准教授としてラボ運営に奮闘する. 2011年に帰国、大阪府立成人病センター麻酔科・副部長をつとめ、臨床麻酔のできる基礎医学研究者を自称する. 専門は免疫学・細胞接着. また研究者のキャリアやスキルに関する著書に「プロフェッショナル根性・研究者の仕事術」「ハーバードでも通用した研究者の英語術」(羊土社)がある. (Photo: Liza Green@Harvard Focus)

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