ボストンで13年働いた研究者が、アカデミック・キャリアパスで切磋琢磨する方法を発信することをめざします。
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インパクトファクターについて知っておくべき10の真実」でふれたRockefeller University PressとThomson Scientific間のコンフリクトで、インパクトファクター値の信頼性に疑問を投げかけている件。

7)Thomson Scientificはインパクトファクターの計算に使用された論文引用のデータをジャーナル出版社に有償で提供している。Journal of Cell Biology、Journal of Experimental Medicine, Journal of General Physiologyを出版しているRockefeller University Pressがどの分野/トピックべつの論文引用を調べるためにThomson Scientificよりデータを購入して自らでインパクトファクターを計算してみたところ、Thomson Scientificの公表する値とは異なることが判明した。



この件については、現在も問題は解決されていないが、

9)Thomson Scientificのデータベースは”Research Group”と”Journal Citation Reports (JCR) ”の2種類あり、後者がインパクトファクター計算に使用されているにもかかわらず、Rockefeller University Pressに販売されたものは前者であったことが後に判明します。



については、どうやらデータベースは一つであるが、2種類の異なったフィルターを用いて処理をしたようです。

上記7を解決するためにRockefeller University PressがThomson Scientificに計算方法を公表するように依頼したが、Thomson Scientificは”2度同じ実験はしない”とその依頼を断ったようです。これが、

Irreproducible results: a response to Thomson Scientific

として、Rockefeller University PressのJournal of Experimental Medicineのエディトリアルでとりあげています。

Rockefeller University PressはThomson Scientificの態度にもはやこれ以上の科学的な議論は不可能/無意味と判断し、この件に関する議論をクローズするとともに、各ジャーナル出版社に:

Citation(引用)の情報をすべてパブリックにオープンにしてThomson Scientificの介入なしに、だれでも一次情報にアクセスでき、各自が(必要なら)インパクトファクターやその他のアナリシスをできるようにすべきである
..we close this discussion with a plea to our fellow publishers to make their citation data available in a publicly accessible database, and thus free this important information from Thomson Scientific's (and other companies') proprietary stranglehold.



と提言しています。

Thomson Scientificにもオープンソースの波が押し寄せることになり、データを囲い込むことで利益を上げ続けることは困難になるのでしょう。



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Motomu Shimaoka

Author:Motomu Shimaoka
島岡 要:三重大学医学部・分子病態学講座教授 10年余り麻酔科医として大学病院などに勤務後, ボストンへ研究留学し、ハーバード大学医学部・准教授としてラボ運営に奮闘する. 2011年に帰国、大阪府立成人病センター麻酔科・副部長をつとめ、臨床麻酔のできる基礎医学研究者を自称する. 専門は免疫学・細胞接着. また研究者のキャリアやスキルに関する著書に「プロフェッショナル根性・研究者の仕事術」「ハーバードでも通用した研究者の英語術」(羊土社)がある. (Photo: Liza Green@Harvard Focus)

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