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ボストンで13年働いた研究者が、アカデミック・キャリアパスで切磋琢磨する方法を発信することをめざします。
人生面白くないよ (はてな匿名ダイアリー)

20くらいまでは無限の可能性があると思ってたのですが
現実を知ったら、もうほとんどのことは解明され
ちゃってて、先人に学んでルーチンを
繰り返すしかないんだなと気づきました。
これからどうすればいいんでしょうか
教えてください人生の先輩方


バイオ分野の後輩から同じ相談を受けたと仮定して:
1)本当に「もうほとんどのことは解明されちゃって」いるのか
科学の終焉(おわり)」でジョンホーガンは、科学上のファンダメンタルな発見はし尽くされているのかももしれないと予想しています。しかし、あくまでも予想であり、競馬、投資、就職、結婚がしばしば予想外の結果になるように、予想は予想でしかありません。新しい発見は答えよりも多くの問いを生むものなので、解明すべき新しい問題がなくなることはないと私は楽観的に考えています。

2)仮に「もうほとんどのことは解明されちゃって」いるとすると(その1)
ファンダメンタルな問題がすべて解明されたとしても、その応用に関する問題、つまり科学上の重大な発見を実際に人類に役立てるために解決しなければならない問題は多数あり、今20歳のひとが定年までの時間を忙しくするには十分なボリュームでしょう。

3)仮に「もうほとんどのことは解明されちゃって」いるとすると(その2)
フランソワ ジャコブ(ノーベル医学生理学賞受賞者):

目新しさは、陳腐なことをいままで気づかれなかったやり方で結びつけることから生まれる。創造とは結合しなおすことである。
ーSeed of discovery by W.I.B. Beverridge (松永俊男、鞠子秀雄訳)ー


たとえ、すべてが言い尽くされたとしても、まだ”いかに語るかという仕事”が残っていることをお忘れなく。


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テーマ:科学・医療・心理 - ジャンル:学問・文化・芸術

面白いと思います。
今、研究というものについて、悩んでいます。
同時に、人間の人生について悩んでいます。
22歳です。
【2011/09/25 Sun】 URL // y.t #- [ 編集 ]
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【2011/12/04 Sun】 // # [ 編集 ]
仮に残されたものがあるにしても、年を経るにつれて、それをするには自分が値しないことに気づくんですよ
【2012/04/22 Sun】 URL // 更紗 #- [ 編集 ]

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プロフィール

Motomu Shimaoka

Author:Motomu Shimaoka
島岡 要:三重大学医学部・分子病態学講座教授 10年余り麻酔科医として大学病院などに勤務後, ボストンへ研究留学し、ハーバード大学医学部・准教授としてラボ運営に奮闘する. 2011年に帰国、大阪府立成人病センター麻酔科・副部長をつとめ、臨床麻酔のできる基礎医学研究者を自称する. 専門は免疫学・細胞接着. また研究者のキャリアやスキルに関する著書に「プロフェッショナル根性・研究者の仕事術」「ハーバードでも通用した研究者の英語術」(羊土社)がある. (Photo: Liza Green@Harvard Focus)

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