ボストンで13年働いた研究者が、アカデミック・キャリアパスで切磋琢磨する方法を発信することをめざします。
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ずいぶん前に読んだクリニカルトライアル(薬の臨床治験)を描いたノンフィクションのなかでのことですが、とあるバイオテクの研究所の描写で、壁にその会社のモットーが張られています:

「安い」、「早い」、「良い」のうち2つをとれ!


これは、アカデミアでの研究プロジェクトを計画するうえでも非常に参考になります。自分の仕事/プロジェクト/製品が、「安い」、「早い」、「良い」の3つのうち少なくとも一つの点で勝っている事は競争を勝ち抜く上での必要条件でしょう。しかし、1点にだけ特化する戦略は多くのひとが思いつき、おそらく常識的な範囲内の努力で達成可能でしょう。「非常に良いけれども時間も予算もかかる」とか、「早いけれどコストがかかり平均的なレベルの仕事(Quick & Dirtyは結構コストがかかる)」などは多くの人が達成可能でしょう。だからといって「安い」、「早い」、「良い」すべてを満たすことをめざすような戦略は、少なくともバイオメディシンの分野ではほとんど不可能です。

そこで実現可能なぎりぎりの線が「安い」、「早い」、「良い」のうち2つをとることなのです。ついつい時間とお金はかかってもいいからインパクトのある非常に「良い」仕事をしたいと思いがちです(「良い」だけを取る)。しかし、困難であってもどん欲に「良い」のうえに、さらに「安い」か「早い」のどちらかを達成することでその仕事に大きな価値が付くのです。

もう一度自分にいいきかせます。「安い」、「早い」、「良い」のうち1つだけとれる人は非常に多い。しかし3つとも取ろうとするのはあまりに無謀である。2つ取るのは簡単ではないが実現可能なギリギリのラインである。そして、2つ取ることができれば希少価値が生まれる。

現在どの2つを取るか考え中.....

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○野屋のスローガンみたいですね。
【2007/12/20 Thu】 URL // すずむし #- [ 編集 ]
研究では「良い」は外せないと思います。安いと良いは通常は両立しにくいので、eliminationで早いと良いという選択が残るような気がします。この二つを目指すには、結局、長時間のハードワークをしなければならないという常識に行き着くように感じます。
【2007/12/21 Fri】 URL // #- [ 編集 ]

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Motomu Shimaoka

Author:Motomu Shimaoka
島岡 要:三重大学医学部・分子病態学講座教授 10年余り麻酔科医として大学病院などに勤務後, ボストンへ研究留学し、ハーバード大学医学部・准教授としてラボ運営に奮闘する. 2011年に帰国、大阪府立成人病センター麻酔科・副部長をつとめ、臨床麻酔のできる基礎医学研究者を自称する. 専門は免疫学・細胞接着. また研究者のキャリアやスキルに関する著書に「プロフェッショナル根性・研究者の仕事術」「ハーバードでも通用した研究者の英語術」(羊土社)がある. (Photo: Liza Green@Harvard Focus)

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