ボストンで13年働いた研究者が、アカデミック・キャリアパスで切磋琢磨する方法を発信することをめざします。
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2/1のエントリーで書いたが、Harvard University Extension Schoolの’ミニMBAコース’に毎週通っている。(http://harvardmedblog.blog90.fc2.com/blog-entry-10.html) 今日はマサテューセッツのケンブリッジ市に本社を置くバイオテクのBiogen IDECからRegulatory Issueのディレクターを講師に招いての2時間のレクチャーであった。Biogen IDECは多発性硬化症に対する治療薬Interferon beta-1 (AVONEX)で有名であるが、より最近はIntegrin VLA-4に対する抗体 natalizumab (TYSABRI)が多発性硬化症に対して劇的な効果を示しつつも、少数の患者を Progressive Mutifocal Leukoencephalopathy (PML)で亡くしたために、一時的に販売中止になった事が記憶に新しい。(http://www.fda.gov/cder/drug/advisory/natalizumab.htm)

本日の講義ではAVONEXやTYSABRIには直接触れずに、pre-clinicalからphase I, II, III clinical trialの過程で regulatory agencyであるFDAといかに交渉するかについての実践的な内容についてのレクチャーがあった。さて、授業中には積極的に質問することが大切である。このコースの成績は、授業中の発言(15%)、試験(20%)、宿題(15%)、レポート(25%)、グループワーク(25%)で評価される。よい成績を取ることは自己満足としても大事であるが、最低でも「可」の成績を取らないと授業料は全額自腹になる。(ハーバード大学医学部関連の多くの病院や研究所では、福利厚生の一環として年間3-5000ドル程度を生涯学習のために使える。ほとんどの場合「可」の成績をとることがreimbursementの条件である。)

授業中は質問をするにも競争が激しい。多くの生徒は米国での教育を受けてきているので、まったく「shy」なところがなく、どんな小さな事でも自分のペースでバシバシ質問する。私も自分のcomfortable zoneから出て、必死で手をあげるが、周りの勢いに圧倒されなかなか指名されない。しかし、根気強く手をあげ続けた末、2時間授業の終了5分前になってやっと初めて指名され発言することができた。どうしてか?それは多くの米国人は意外に持久力や根気がなく、終了5分前ごろには持久力を欠き、別のことを考えているからである。

私を含め多くの日本人研究者は「shy」で人前で発言するのに非常な努力をしいられ、積極性では米国人に見劣りする。しかし、持久力では負けない。多少理不尽な状況でもだっまて耐える力がある。ここでも重要なのはStrength-based アプローチである。(http://harvardmedblog.blog90.fc2.com/blog-entry-4.html) 非常な努力をすれば米国人と同じ程度に英語を話し、社交的になれるかもしれないが、それ以上になることはかなり難しい。それよりも「忍耐持久力」という多くの日本人がもつStrength=美徳に投資する方が、長期的にははるかにリターンは大きい。

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Motomu Shimaoka

Author:Motomu Shimaoka
島岡 要:三重大学医学部・分子病態学講座教授 10年余り麻酔科医として大学病院などに勤務後, ボストンへ研究留学し、ハーバード大学医学部・准教授としてラボ運営に奮闘する. 2011年に帰国、大阪府立成人病センター麻酔科・副部長をつとめ、臨床麻酔のできる基礎医学研究者を自称する. 専門は免疫学・細胞接着. また研究者のキャリアやスキルに関する著書に「プロフェッショナル根性・研究者の仕事術」「ハーバードでも通用した研究者の英語術」(羊土社)がある. (Photo: Liza Green@Harvard Focus)

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