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ボストンで13年働いた研究者が、アカデミック・キャリアパスで切磋琢磨する方法を発信することをめざします。
セミナーや学会会場で質問をするのは簡単ではありません。少しばかりの勇気と、そしてスキルが必要です。ニューヨークタイムズのブログShifting Careersからのリンクでたどり着いたThe Happiness Projectの 「Ten tips for asking questions from the audience」では、ビジネス・カンファレンス等で質問するための10のチップを紹介しています。このチップは研究者がうまく質問するためにも役に立ちそうです。

ところで「よい質問をする」と「うまく質問をする」とは同じではありません。(もちろん「良い質問を、うまくする」がベストですし、2つは多分にinter-connectedですが...)「よい質問をする」能力に比べて、「うまく質問をする」能力は”短期間に学習可能なスキル”的側面がより大きいように思います。しかし「うまく質問をする」スキルが向上すれば、より困難な課題である「よい質問をする」能力を磨きたいというモチベーションの向上というポジティブ・フィードバックがあるでしょう (inter-connected!!)。「よい質問をする」能力についてはまた別の機会に書くとして、ここではThe Happiness Projectよりカンファレンス等で「うまく質問する」ための10のポイントを研究者用に少しアレンジします:

1)マイクを使う:待ちきれずにシャウトする人もいますが、演者と会場の聴衆に正しく質問を理解してもらうためにも、可能ならばマイクが来るのを待ちましょう。

2)会場のざわめきがおさまるまで一時のポーズを:1と同じ理由

3)言い訳をしない:「素人の質問で申し訳ないのですが...」など言う必要なし

4)演者をファースト・ネームで呼ばない:Dr.をつけましょう。(もちろん例外はありますが、フォーマルなトーンでなんら問題ありません)

5)しゃべりすぎない

6)短く簡潔に:そうすればしゃべりすぎも防げるはず。

7)2つ以上質問をしない:「2つ質問があります。第一の質問はXXX、第二の質問はYYYY」と言う人がかなりいます。第二の質問を言い終わるころには、演者も聴衆も第一の質問が何だったか忘れてしまい「ところで第一の質問は何でしたか」と逆に聞き直している光景をよく見かけます。何事も基本は One at a time

8)もし適切ならば、単なる質問だけでなく少しだけ何か自分のことを言いましょう:これは高等テクニックでしょう。ビジネスではセルフ・プロモーションを意味するのでしょうが、サイエンスでは自分の質問をコンテキストに置くための短い解説でしょう。(なぜ、私の質問が演者と聴衆にとっても大切なのか)これは5番・6番と相容れない可能性があるので慎重に。

9)(シャウトではなく)声を張りましょう:質問が聞こえないとフラストレーションが溜まるのはどこでも同じ

10)質問することであなたが成長するということをお忘れなく。




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テーマ:研究者の生活 - ジャンル:学問・文化・芸術

リネージュ
クロスランカー エピソード4「歴史と記憶」
【2008/01/15 Tue】 URL // ちびっこ探偵団 #HmsGVGSQ [ 編集 ]

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Motomu Shimaoka

Author:Motomu Shimaoka
島岡 要:三重大学医学部・分子病態学講座教授 10年余り麻酔科医として大学病院などに勤務後, ボストンへ研究留学し、ハーバード大学医学部・准教授としてラボ運営に奮闘する. 2011年に帰国、大阪府立成人病センター麻酔科・副部長をつとめ、臨床麻酔のできる基礎医学研究者を自称する. 専門は免疫学・細胞接着. また研究者のキャリアやスキルに関する著書に「プロフェッショナル根性・研究者の仕事術」「ハーバードでも通用した研究者の英語術」(羊土社)がある. (Photo: Liza Green@Harvard Focus)

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