ボストンで13年働いた研究者が、アカデミック・キャリアパスで切磋琢磨する方法を発信することをめざします。
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優秀な理科・数学教師の育成を最優先課題としたサイエンス・エデュケーション促進のための法案が米国議会で可決され、ブッシュ大統領が8/10の午前にサインをした。この法案America COMPETES (Creating Opportunities to Meaningfully Promote Excellence in Technology, Education, and Science) は3年にわたり430億ドルを科学研究と研究者の養成・トレーニングに関連したプログラムに使用することを可能にする。

この法案America COMPETES のもとになったものが、6月4日のエントリー「いかにして優秀な理科・数学教師を育てるか: 米国でのとり組み」で取り上げたNational Academy of Scienceが2005年に発表した564ページにわたる詳細な提言「Rising Above The Gathering Storm」である。「Rising Above The Gathering Storm」は

米国がScience&Technologyの分野で世界を凌駕し、21世紀でも引き続きグローバルな覇権を握るためのトップ10の戦略とは何か?


に答えた形をとり、米国のコンペティティブネス維持のために、理科・数学教育リフォーム(優秀な理科・数学教師の育成)をその最重要課題に位置づける。これは、一人の優秀な教師を育成すれば、その一人から将来的に1,000人の優秀な科学者が育ち、その数だけ新しい仕事を生み出すというスローガンのもと、”ひとり年間2万ドルの奨学金(返済不要)を4年間あたえる”などのサーポートで1万人の理科・数学教師を育成し、1,000万人の科学者(とそれに相当する新しい職)を作り出すことにより米国がScience&Technologyの分野でグローバルな覇権を将来にわたって維持するという非常に長期的視野に立った、また非常にambitiousな政策である。

科学研究や教育のために予算をつけるような多くの法案の多くが今まで廃案になってきたが、このAmerica COMPETES法案の大成功の理由として、予算委員のひとり Norman Augustine氏(前ロッキードCEO)は語る。

抽象的にサイエンスの価値を語るかわりに、その雇用面への実際的な効果を訴えることにしたのだ
"We quit talking about the virtues of science in the abstract and started talking about its impact on jobs, Everybody understands jobs."



提言「Rising Above The Gathering Storm」が法案America COMPETESとなり可決されるこの歴史的なサイエンスの政治的勝利から学ぶことは非常に多い。

関連エントリー:
いかにして優秀な理科・数学教師を育てるか: 米国でのとり組み
<http://harvardmedblog.blog90.fc2.com/blog-entry-91.html>

関連ブログ:
Framing Science "It's the Economy, Stupid! Framing Propels Major Science Bill"
<http://scienceblogs.com/framing-science/2007/08/its_the_economy_stupid_framing.php>

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テーマ:科学・医療・心理 - ジャンル:学問・文化・芸術

日本人とアメリカのMedical School
日本人が日本の高校を卒業後、アメリカのUndergraduateに留学し、その後アメリカの「私立大学」のMedical Schoolに入学したいとの希望を持った場合ですが、Medical Schoolに果たして入学できる可能性はあるのでしょうか?
恐らく州立大学は、US Citizenであることが条件のところが大多数だと思われますが、Private Universityでは、例えばChicago、Johns Hopkinsなど、多くが原則可能だと認識しております。
また、絶対数は極少ながら、MD/Ph.Dであれば、日本人でも入学可能であると認識しておりますが、いかがでしょうか?
【2007/08/27 Mon】 URL // exodus #- [ 編集 ]

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Motomu Shimaoka

Author:Motomu Shimaoka
島岡 要:三重大学医学部・分子病態学講座教授 10年余り麻酔科医として大学病院などに勤務後, ボストンへ研究留学し、ハーバード大学医学部・准教授としてラボ運営に奮闘する. 2011年に帰国、大阪府立成人病センター麻酔科・副部長をつとめ、臨床麻酔のできる基礎医学研究者を自称する. 専門は免疫学・細胞接着. また研究者のキャリアやスキルに関する著書に「プロフェッショナル根性・研究者の仕事術」「ハーバードでも通用した研究者の英語術」(羊土社)がある. (Photo: Liza Green@Harvard Focus)

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