ボストンで13年働いた研究者が、アカデミック・キャリアパスで切磋琢磨する方法を発信することをめざします。
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Nature誌6月号の記事によると、80余りの米国のカレッジを含むthe Annapolis Group of private collegesがU.S. News & World Reportによる大学の格付け(ランキング)のボイコットを唱えている。

Nature 447, 1139 (June 2007)
Prospect:Rankings are flawed, but are they a worthwhile tool nonetheless?



U.S. News & World Reportによるランニングは数ある全米レベルでの大学格付けの最もメジャーなものである。各大学のアンケートに対する回答とエキスパートへの調査を元にして“総合的"に判定されたランニングであり、大学の社会的評価ひいては入学希望者(消費者)の動向に大きな影響力をもっていると考えられる。

ちなみに2008年度の大学院のランキングは:

ビジネススクール(総合)
1. Harvard University
2. Stanford University
3. University of Pennsylvania (Wharton)

メディカルスクール(総合/研究中心)
1. Harvard University
2. Johns Hopkins University
3. University of Pennsylvania


Annapolis Groupのランキングに対するボイコットの”オフィシャル”な理由は
(1)ランキングの決定の過程が公平でない
(2)ランキングの決定に使用されたデータが正確でない
の主として2点である。

しかし、ランキングにAnnapolis Groupが反対する真の理由は、現行のランキングが下位にランクされるものにとってまったくメリットがないからであろう。「たとえ下位にランクされても、ランキングが上昇することをインセンティブにして切磋琢磨し、がんばればよい」と言うのが正論である。しかし、一個人(消費者)が総合的に大学の価値を評価することは容易ではなく、公表された便利な”総合”ランキングが重要な(しばしば最大の)判断基準となるため上位校へのさらなる人・金・リソースの集中を生み、上位グルーと下位グループの差は益々大きくなる現象が起こりえる。

さらに、現行のランキングシステムは一部の上位エリート大学に有利にできている。(または、 一部の上位エリート大学は現行のシステムで高く評価される術 [ランキング決定に重要な意見を述べるエキスパートへの影響力を含む] を長い歴史で身につけてきた)よって下位にランクされる後発の大学が「一部の歴史あるエリート大学に有利な現行のルール」で戦って勝てる見込みは非常に低い(*)。

では、どうすればよいのか、その答えをAnnapolis Groupはよく知っていた。だからU.S. News & World Reportによる大学の格付けをボイコットをしたのだ。

答えは「自分に有利な別のルールで戦う」ことである

College group plans new ranking system (Baltimoresum.com)



自分に不利な現行のルールに甘んじる必要はない。ルールとは思われているほど絶対的なものではないし、ひとつでなくてはならない絶対的な理由もない。ルールは常に作ったものに有利なのである。




(*)複数の大学が合併し魅力的な研究・教育プログラムを作り、現行のルールで戦えるだけ強くなるという正攻法ももちろんある。英国での大学壁を超えた6大学理学部間のアライアンス”The Scottish Universities Physics Alliance (SUPA)”が紹介されている。

Editorial:Nature 447, 1031 (28 June 2007)

All for one...
Many medium-sized university departments feel they are engaged in an unequal struggle against larger and more-entrenched rivals. But there is a way in which they can fight back.


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  【2007/08/01 Wed】
ランキングランキング(Ranking)はさまざまなジャンルや、個人・団体に順位位置をつけるプロセスである。このように配置されるリストは、ランキングであると言われている。また、非母数統計学で使用される技術でもある。一般的にランキングに投じる票は、調査対象の何らか
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プロフィール

Motomu Shimaoka

Author:Motomu Shimaoka
島岡 要:三重大学医学部・分子病態学講座教授 10年余り麻酔科医として大学病院などに勤務後, ボストンへ研究留学し、ハーバード大学医学部・准教授としてラボ運営に奮闘する. 2011年に帰国、大阪府立成人病センター麻酔科・副部長をつとめ、臨床麻酔のできる基礎医学研究者を自称する. 専門は免疫学・細胞接着. また研究者のキャリアやスキルに関する著書に「プロフェッショナル根性・研究者の仕事術」「ハーバードでも通用した研究者の英語術」(羊土社)がある. (Photo: Liza Green@Harvard Focus)

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