ボストンで13年働いた研究者が、アカデミック・キャリアパスで切磋琢磨する方法を発信することをめざします。
映画監督のウッディー・アレンは「人生の80%は顔を出すことだ」と言います。

I have learned one thing. As Woody says, ‘Showing up is 80 percent of life.’ Sometimes it’s easier to hide home in bed. I’ve done both.
(Susan Braudy, Arts and Leisure, He’s Woody Allen’s Not-So-Silent Partner. New York Times 1977 August 21)



どうして人生の成功の80%は顔を出すことで決まるのでしょうか? 

どんなに素晴らしい才能やアイデアを持っていても、顔を出さずに家にこもって誰にも知られなければ成功することはないと解釈もできます。また、たとえ才能やアイデアがなくても、集まりに顔を出して、行動を起こせば人とのコミュニケーションや環境からの刺激を受けて、自分が思いもしなかったようなパフォーマンスを上げることもあるかもしれません。さらには、集まりに顔を出せば、自分では過小評価していた資質や業績を、予想もしていなかった形で評価してくれるコラボレーターが見つかるかもしれません。

最初の一歩を踏み出すことが最も敷居が高いのですが、それを乗り越えれば周りのひとや環境が助けてくれると敢えて信じる”戦略的他力本願”も悪くはありません。

ひとは自分の能力のポジティブ・インパクトを過小評価しがちだし、批判されて恥をかき傷つくことのネガティブ・インパクトを過大評価しがちです(後者は杞憂効果と呼ばれています)。まず一歩踏み出して、行動しながら考えることの大切さは、不確実性と流動性の高い現代ではますます重要になってきます。

行動しながら考えよう(Thinking While Acting: TWA)」を切り口に、研究者が出会う職場や人生の問題を解決するための”理屈”や”教養”を、私の人生経験をもとに社会学や心理学の知見を引用しながらお話する、新刊「行動しながら考えよう 研究者の問題解決術」が羊土社から発売されました。

学生や若手研究者だけでなく、指導者として相談に乗る立場の方々にもご一読いただければ幸いです。

TWA

行動しながら考えれば,あなたの研究生活を取り巻く「悩み」を解決できる.重苦しい悩みに足を絡め取られた状態で漫然と実験をするのはもうやめよう.あなた自身を取り戻し,あなたが一番するべき仕事に集中しよう. Amazon.co,jpより

【目次】
序章 悩める若手研究者とその卵たち12のケース
1章 行動しながら考えようーーThinking While Acting
2章 ネガティブな感情を活用しよう
3章 研究者は営業職。視点を切り替えよう
4章 研究室での自分の立ち位置を分析してみよう
5章 情報化社会だからこそ「暗記力」を強みにしよう
6章 新しいことをはじめてみよう
7章 戦略的に楽観主義者になろう

【“まえがき"より一部抜粋】
本書は、あなたが抱える「人生の問題」に今日けりをつけて、世界につながる「科学の問題」に明日から生き生きと立ち向かうための本です。
(中略)
大きな壁を乗り越える方法は、最初は分からないかもしれません。しかし心配することはありません。そもそも最後までわからないものなのです。はっきり分からないまま試行錯誤して進んでいくうちに物事が大いに進展しはじめるときが訪れるのです。壁を乗り越えてはじめて後づけで乗り越える方法が分かるのです。答えはそもそも最後まで分からない、後づけではじめて分かるのが私たちが生きている世界なのですから、答えが今分からなくとも、行動しながら考えましょう。

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プロフィール

Motomu Shimaoka

Author:Motomu Shimaoka
島岡 要:三重大学医学部・分子病態学講座教授 10年余り麻酔科医として大学病院などに勤務後, ボストンへ研究留学し、ハーバード大学医学部・准教授としてラボ運営に奮闘する. 2011年に帰国、大阪府立成人病センター麻酔科・副部長をつとめ、臨床麻酔のできる基礎医学研究者を自称する. 専門は免疫学・細胞接着. また研究者のキャリアやスキルに関する著書に「プロフェッショナル根性・研究者の仕事術」「ハーバードでも通用した研究者の英語術」(羊土社)がある. (Photo: Liza Green@Harvard Focus)

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