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ボストンで13年働いた研究者が、アカデミック・キャリアパスで切磋琢磨する方法を発信することをめざします。
理系の研究者の強みを活かして、絵画の基礎知識がなくとも、それなりに楽しく絵画を鑑賞する方法を考えてみました。

オフィスの近辺にミュージアムがあるのはいいものです。ボストンではMuseum of Fine Arts, Bostonがありました。今は三重県立美術館があります。全国をまわっている「藤島武二・岡田三郎助展」がいま三重県立美術館にきています。藤島武二と岡田三郎助とは:

日本の近代洋画の基礎を築いた藤島武二(1867-1943)と岡田三郎助(1869-1939)。それぞれ曾山幸彦の画塾で洋画を学び、時期を異にしてヨーロッパへ留学したのち、東京美術学校の教授として活躍。1912年には本郷洋画研究所を設立し後進の指導に努めるなど、明治末から昭和戦前期にかけて、同世代の洋画家としてともに切磋琢磨し、日本洋画の発展に大きく貢献しました。



藤島武二・岡田三郎助展とは:

共通点の多い二人の経歴・画業を振り返りながら、それぞれの目指した方向が彼らの活躍した時代に、どのように反映されていったのかを探ろうとするものです。



このように2人の画家の絵を同時に一つの展覧会でみせるというフォーマットは、ボストンではあまりありませんでした。今回、藤島武二・岡田三郎助展で気づいたのですが、比較するペアーが適切であれば、この2人の画家の作品を比較しながら鑑賞するというフォーマットは、絵画初心者にはとても教育的なのです。

最近読んだ安宅和人さんの「イシューからはじめよ」では、

”分析の本質とは比較である”



と述べていますが、大いに納得できる部分があります。少なくとも、比較から始めることが最も手軽ですし、おそらく何らかの形で比較を持ち込む以外に分析する方法はないと思います。

これと同様に絵画を自分の主観に頼って鑑賞するよりも、藤島武二と岡田三郎助の作品を比較することで、専門家のガイドがなくとも、作風についての参照点が自然に設定され、漠然と鑑賞するよりはずっと深い”分析”ができて、絵画を鑑賞するという行為夫を能動的に楽しめました。おそらくこの展覧会の企画者&キュレーターのもくろみが大当たりしたのでしょう。

藤島武二と岡田三郎助の作品の比較は、理系研究者にはお奨めの”分析的絵画鑑賞”を実践・トレーニングするよい場です。

Fujishima1

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数日前たまたま久しぶりにジョブスのスタンフォードスピーチをiPod nanoで聴いていました。いま思い出すのは、あの有名な”Stay Hungry. Stay Foolish.”ではなく、彼の死に対する哲学です。


Death is very likely the single best invention of Life. It is Life's change agent. It clears out the old to make way for the new. 

死とは人生における最も優れた発明だ。人生を根底から変える力を持つ。古い者たちを一掃し、新しく来た者たちに道をひらく



ノーベル賞受賞者のRalph Marvin Steinman博士 (January 14, 1943 – September 30, 2011)が、2010年にHeineken Prizeを受賞した後に、自らの研究者としのキャリアパスとモチベーションやDendritic Cell研究の素晴らしさを、わかりやすい英語で語った。

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プロフィール

Motomu Shimaoka

Author:Motomu Shimaoka
島岡 要:三重大学医学部・分子病態学講座教授 10年余り麻酔科医として大学病院などに勤務後, ボストンへ研究留学し、ハーバード大学医学部・准教授としてラボ運営に奮闘する. 2011年に帰国、大阪府立成人病センター麻酔科・副部長をつとめ、臨床麻酔のできる基礎医学研究者を自称する. 専門は免疫学・細胞接着. また研究者のキャリアやスキルに関する著書に「プロフェッショナル根性・研究者の仕事術」「ハーバードでも通用した研究者の英語術」(羊土社)がある. (Photo: Liza Green@Harvard Focus)

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