ボストンで13年働いた研究者が、アカデミック・キャリアパスで切磋琢磨する方法を発信することをめざします。
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5号館のつぶやきのstochinaiさんに「研究者の仕事術」に引き続き、「研究者の英語術」の書評をいただきました。ありがとうございます。

この本では、そうしたいわゆる「論文の書き方」のすべてを指南するという、書き手にとっても読み手にとっても労多く得るものが少ないものになることを避け、論文に関連したものとしてはもっとも重要なアブストラクトとカバーレターの書き方だけに絞り、それ以外の研究生活関連のものとして、外国人研究者に送るメールの書き方、英語でのプレゼンテーション原稿の作り方、そして海外での就職の際には必須となる推薦状と履歴書(CV、レジュメ)の書き方などを実践的に紹介しています。
5号館のつぶやき:島岡要、J.A.Moore著 「研究者の英語術」


ご指摘のように「研究者の英語術」は単なる”英作文”ではなく、論文や研究者に必要なビジネス文書のビルディング・ブロックである”英文パラグラフ・ライティング”を実践的に解説しています。

この中で推薦状だけがちょっと異色ですが、私は推薦状を書く時にはしばしば被推薦者の研究者にどんなことを書いてもらいたいかを書いた自薦状を送ってもらい、それを参考に推薦状を書きます。若い研究者の方々ももしも誰かに推薦状を書いてもらいたいならば、どういうことを書いてもらいたいのかという自薦状を「参考書類」として推薦を依頼する方に送るのが礼儀でありまた効率的でもあると思いますので、そういう意味ではここに推薦状の書き方があるのは、大いに納得してしまいました。
5号館のつぶやき:島岡要、J.A.Moore著 「研究者の英語術」


アカデミア用の英文推薦状に関するテキストブックは和書・洋書ともあまりありせん。英文推薦状のマニュアルはあまり需要がないからかもしれませんが、stochinaiが書かれているように、推薦状を依頼する際にその”参考書類”としての自薦状を英語で書くためのマニュアルは一部では非常に必要とされているニッチなトピックであると考えました。


「隠しメッセージ」

最後に言わずもがなですが、この本に込められた「隠しメッセージ」についても触れておきましょう(笑)。それは、たとえ「バーバードでも通用」している島岡さんと言えども、こうした「英語を書く本」の執筆はひとりでやり抜いていないことを見てもわかるように、正式な英語の文章の最後の仕上げは Native speaker さらには Native writer の助けを借りるべきだということだと思います。

 さすがに島岡さんくらいになると必要ないのかもしれませんが、私たちは今でも英語論文は最終バージョンができあがったら Native の英文校閲者に査読してもらって訂正したものを投稿しています。もちろん、日常的なメールやCVなどまで校閲してもらう人は少ないかもしれませんが、我々のような英語を話さない言語圏の人間の英語力はその程度くらいまで上達すれば良いのだという「あきらめ」も、また必要な「英語術」なのかもしれません。
5号館のつぶやき:島岡要、J.A.Moore著 「研究者の英語術」



私は投稿論文とグラントの申請書は「研究者の英語術」共著者であるジョーの提供する有料のサービスを利用して、文法や表現をチェックしポリッシュしてもらっています。stochinaiのおっしゃる:

我々のような英語を話さない言語圏の人間の英語力はその程度くらいまで上達すれば良いのだという「あきらめ」も、また必要な「英語術」なのかもしれません


にはまったく同意いたします。「研究者の英語術」のはじめにで書いたメッセージが:

「流暢な英語が話せるようになる」という希望を捨てる勇気、と「機能的な英文が書けるようになる」という希望をもつ勇気


でした。自力で「機能的な英文が書ける」ようになることが目標であり、「流暢な英文」を書く必要があるときにはネイティブ・スピーカーの助けを借りればよいのです。したがって、「流暢な英語が話せるようになる」という希望だけでなく、自力で「流暢な英文が書けるようになる」という希望もとりあえず捨てて、現実的にそのためのリソースを別のアクティビティーに割り振ることを考えてもいいのではないのでしょうか。そう考えれば英語コンプレックスがあったとしても、ずいぶん楽になるはずです。

stochinaiさん、書評ありがとうございました。


追記:「人生の道の駅 失敗から発見、そして自信へ」のつぐみさんにも書評をいただきました。

研究者の英語術を読みました。まずは、アブストラクトの書き方までと、プレゼンテーションの作り方について読みました。.......英語に限らず日本語での論文、プレゼン準備にも多く役立ちます。
人生の道の駅 失敗から発見、そして自信へ: 研究者の英語術を読んだ感想 その1



「研究者の英語術」ではメッセージをわかりやすく伝える文章を書くためのフレーム・ワークについて解説しています。つぐみさんが書評で書かれているように、このフレーム・ワークは英文ライティングだけでなく、日本語での論文やプレゼンテーションに役立つと考えています。

つぐみさん、書評ありがとうございました。


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プロフィール

Motomu Shimaoka

Author:Motomu Shimaoka
島岡 要:三重大学医学部・分子病態学講座教授 10年余り麻酔科医として大学病院などに勤務後, ボストンへ研究留学し、ハーバード大学医学部・准教授としてラボ運営に奮闘する. 2011年に帰国、大阪府立成人病センター麻酔科・副部長をつとめ、臨床麻酔のできる基礎医学研究者を自称する. 専門は免疫学・細胞接着. また研究者のキャリアやスキルに関する著書に「プロフェッショナル根性・研究者の仕事術」「ハーバードでも通用した研究者の英語術」(羊土社)がある. (Photo: Liza Green@Harvard Focus)

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