ボストンで13年働いた研究者が、アカデミック・キャリアパスで切磋琢磨する方法を発信することをめざします。
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ー研究者は英語の学習時間をライティングにより多く割くべきー

研究者の英語術グローバル化した世界で英語は”共通のコミュニケーションのプラットフォーム”としてますます重要性を増していくでしょう。英会話ができるようになることが、これからは必要不可欠になると提唱するスクールもあり、多くの時間とお金を英会話につぎ込んでいる研究者もいるのではないでしょうか。

しかし、主として日本を仕事の場として活躍する研究者や学生にとって必要な英語でのコミュニケーションの形態に優勢順位をつけるとすれば、英会話がトップに来るのでしょうか。英語の勉強のための貴重な時間とお金の大部分を英会話学習にかけていいのでしょうか。

ところで、一般的に英会話を学ぶモチベーションのひとつに、街で外国人に道を聞かれた時にすらすら答えたいというものがありますが、グローバル化が進んでも、街で英語を話す機会が突然増えるわけではありません。しかし、インターネットの恩恵で、メールやテキストを通じて英語でコミュニケーションをする頻度は、グローバル化とともに、今後急速に増えるでしょう。

したがって、英会話や口頭での英語コミュニケーション中心の学習スタイルを再考し、”研究者は英語の学習時間をライティングにより多く割くべき”というのが、新刊「研究者の英語術」のメイン・メッセージです。この本は、私が論文やグラントの英語表現のエディティングをいつもお願いしているJoseph A.Moore氏との共著です。

序章「ひとりで学ぶ英語の心得」から始まり、相手に伝わる”機能的な”パラグラフ・ライティングの実践を全体を俯瞰するテーマとして、第1章:アブストラクトの書き方、第2章:カバーレター、第3章:英文メール術、第4章:プレゼンテーションの読み原稿作成の極意、第5章:強い英文推薦状の書き方、第6章:英語ライティング上達のための「自分語り」CVとレジメの書き方、と研究者や学生が日常の仕事の中で必要な英語ライティング・スキルを高めていくための指針が具体例をあげて解説しています。

羊土社のサイトもぜひご覧下さい。

序章 ひとりで学ぶ英語の心得
英語は読めるが話せない悩み
英語の読み書きは国語の能力で,話すのは体育の能力
体育の能力である同時性・双方向性・即興性は実践でしか学べない
本を読んで一人で勉強するならば,それに適した英語コミュニケーション力にフォーカスする
これからは文書での英語のコミュニケーションが重要になってくる
研究者はまず文章による英語のコミュニケーションにプライオリティーを置くのが効率的
英語の論理的思考の習得にはパラグラフ・ライティングが効果的

第1章 アブストラクトの書き方

研究者のすべての英語ライティングの基礎
どうしてアブストラクトのトレーニングが重要なのか?

* アブストラクトを書く力は英語ライティング・コミュニケーションの基礎
* 第一印象が運命を決める
* 研究者の仕事の成果はアブストラクトとして世界に伝わる
* 論文のアブストラクトは通常最後に書く
* アブストラクトを書くことで理解が深まる
* アブストラクトを最初に書くという修行
* 優れたアブストラクトを書くために,知っておくべきたった1つのこと
* セルフ・エディティング能力を育てる
* アブストラクトに書くべき3つのエレメント
* 優れたアブストラクトを書くための具体的な心得

実践編 優れたアブストラクトへの道のり

* 例1:名作アブストラクト
* 不完全な第1稿を書くのが,優れたアブストラクトへの第一歩
* 快適に第1稿を書き始めるためのフレーム・ワーク
* つまらずに第1稿の下準備をするためには正解ではなく納得解を
* シグナルを使って,センテンスに有機的なつながりをもたせる
* 第 1稿をさらに磨きあげる
* まとめ

便利な実例集

* 実例1:基本に忠実なロジック展開
* 実例2:ストーリーを意識してまとめる
* 実例3:定められたフレーム・ワークに則る

第2章 カバーレター
論文の重要性を訴える考え方を身に付ける
エディターを説得し,投稿論文を査読にまわすための強いカバーレターの書き方

* カバーレターの役割とは
* 論文の重要性をいかに語るか
* カバーレターのフレーム・ワーク

実践編 カバーレターの実際

* 例1:Science へ投稿したときの実際のカバーレター
* 例2:FASEB J へ投稿したときの実際のカバーレター
* 例3:The Jounal of Immunology へ投稿したときのカバーレター
* まとめ

カバーレターでよく使われる言いまわしの実例集

* 論文がオリジナルであるとの宣言の例文 (二重投稿していないことの宣言など)
* 適切なレビュアーの示唆や,不適切なレビュアーを除外する依頼

第3章 英文メール術
ライティング・スキルを日々鍛える
伝わるメールを書いて,英語ライティング・スキルを高める

* あなたのメールが正しく読まれているとは限らない
* 下手な英語を話すことは許されても, 下手な英語を書くことは許されにくい
* メール・ライティングの心得はアブストラクト・ライティングの基本と同じ

実践編 具体的な英文メール・ライティングの技術

* あなたのメールの後半は読まれていない
* メールでは結論を最初にもってくる
* 件名欄を有効に使う
* 読ませるメールとは(岡田さんのメールを書き直す)
* 読みやすいメールを書く3つのテクニック
* リストを有効に使用して浜田さんのメールを書き直す
* オープニングとクロージング
* こんなときはメールを使ってはいけない
* まとめ

伝わるメールの実例

* ジョブ・アプリケーションレター
* リクエスティング・レター

第4章 プレゼンテーションの極意

ロジックにより説得する表現を磨く
成功の鍵を握るショーの下準備

* 十分な下準備をするという王道を歩む
* 優れた英語のプレゼンテーションはトランスクリプトを用意することから始まる
* トランスクリプト作成には二重のベネフィットがある

実践編 スライド各場面でのトランスクリプトの要点と実例
ソーシャルな部分のトランスクリプト

* #1:プレゼンテーションに入る前のスモール・トーク
* #2:話題を変えるときのフレーズ
* #3:共同研究者やスポンサーへの謝辞
* #4:質疑応答の場面でのフレーズ

サイエンスの部分のトランスクリプト

* スライド1「タイトルスライド」の機能とポイント
* スライド2「テイクホームメッセージ」は最も重要なスライド
* スライド3~4「バックグラウンド」で背景,問題点を示す
* スライド5~8「データ・ソリューション:解決法 or 答え」
* スライド9「まとめ」
* スライド10「謝辞」
* まとめ

あなたがホストの場合の心得と演者紹介の実例

* イントロダクションにおける先入観・必然性・共感
* フォーマルな場面でのホストによるイントロダクションの例
* インフォーマルな場面でのホストによるイントロダクションの例

第5章 推薦状
ポジティブな表現を磨く
用紙2枚分の説得力のある強い英文推薦状を書く

* 推薦状を書くのがもともと得意な人などいない
* 推薦状を書く際に,どこでつまずくのか
* 推薦状の重要性
* 推薦状の現状:ネガティブな推薦状はなくなっていく
* 人の長所を見つけて,世間に売り込む力を伸ばす
* 強い推薦状とは情熱,情熱とはとりあえず分量
* 強い推薦状を書くための5つの心得
* 強い推薦状を書くためのフレーム・ワーク

実践編 強い英文推薦状の書き方

* 職場ロゴの入ったヘッダーを準備する
* パート1:イントロダクション(自分が推薦者として適切であることのアピール)
* パート2:被推薦者の業績とプロフェッショナルとしての成長をストーリーで語る
* パート3:人間的魅力について語る
* パート4:まとめと締めくくり
* まとめ

業績と成長を語るストーリー(3幕構成)の実例

第6章 CV,レジメ
自己PRとアクション・スタイルを上達させる
英語ライティング上達のための「自分語り」

* CVとレジメ
* CV とレジメを英語ライティングのトレーニングの場として使う

実践編-1 CVの具体例

* CVのパーツ一覧
* Personal and contact information
* Education and Professional Experience
* Committee Service, etc.
* Funding Information
* Report of Teaching and Training
* Invited Presentations
* Bibliography
* 特許
* Narrative Report

実践編-2 レジメの具体例

* レジメで学ぶアクション・スタイル
* トップ
* 1枚目の上3分の1
* Education
* Professional Experience
* 発表論文リスト
* 専門技術・スキル
* 照会先
* まとめ

コラム
セルフ・エディティングについての補足
カバーレターとオンライン投稿
いろいろ頼みたいのは山々だが,要求を詰め込みすぎない
英語でリストを作るうえで注意すべきこと
準備しすぎるという問題
大統領のスピーチ原稿
重要でない話を英語でする難しさ
言及する範囲
米国と欧州における推薦状の違い
CVにはどのフォントとサイズを使えばよいのでしょうか
転職の理由をポジティブに説明する準備を
CVとレジメの差をもっと詳しく
アクション動詞

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プロフィール

Motomu Shimaoka

Author:Motomu Shimaoka
島岡 要:三重大学医学部・分子病態学講座教授 10年余り麻酔科医として大学病院などに勤務後, ボストンへ研究留学し、ハーバード大学医学部・准教授としてラボ運営に奮闘する. 2011年に帰国、大阪府立成人病センター麻酔科・副部長をつとめ、臨床麻酔のできる基礎医学研究者を自称する. 専門は免疫学・細胞接着. また研究者のキャリアやスキルに関する著書に「プロフェッショナル根性・研究者の仕事術」「ハーバードでも通用した研究者の英語術」(羊土社)がある. (Photo: Liza Green@Harvard Focus)

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