ボストンで13年働いた研究者が、アカデミック・キャリアパスで切磋琢磨する方法を発信することをめざします。
プロフェッショナルの定義にはその人の経験に基づいた考えや価値観が反映されるものです。「大隅典子の仙台通信」の大隅さんが、「やるべきことが見えてくる 研究者の仕事術 プロフェッショナル根性論」の書評を書いてくださったブログエントリーで、ご自分のプロフェッショナルの定義を披露されています。

....NHK総合テレビの「プロフェッショナル 仕事の流儀」の中で、最後に「あなたにとってのプロフェッショナルとは?」という問いに対する答えの言葉が話されますね。私だったらこんな風に。

"プロフェッショナルとは、最高のレベルの仕事を最短時間で仕上げる人"

時間をかけたら良いものができる、というレベルはプロではないと思うのです。
                      
大隅典子の仙台通信



なるほど。Strengths-based approachのなかで述べた「強み」のなかでも、最高レベルの仕事を目指す人の気質(タレント)である「Achiever(達成欲)」や「Maximizer (最上志向)」をもち、さらに最高の効率で仕事を達成する情熱を保てるひとがプロフェッショナルの一つのカテゴリーを占めることは間違いないでしょう。素晴らしい。

大隅さん書評ありがとうございました。



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小飼 弾さんの「404 Blog Not Found」で、「やるべきことが見えてくる研究者の仕事術―プロフェッショナル根性論 」の書評を頂きました。

”プロフェッショナル根性論”を”Grit” (「不屈の精神」「気骨」)や”ぐぬぬ力”とリフレーズしつつ、

いかに歯を折らずして歯を食いしばるか。それには「根性のための根性」でない、本物の根性論が必要であり、本書が提供するのはまさにそれである。
本書は、知のマウスピースなのだ。
                ―「404 Blog Not Found」


知のマウスピース”という言葉にクリスタライズ(結晶化)させる小飼さんの研ぎ澄まされた言語感覚には感動させられました。

素晴らしい言葉をいただき、ありがとうございました。




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9784758120050.jpg羊土社で最近まで連載していました「プロフェッショナル根性論」を加筆・修正しまして一冊の本にまとめた「やるべきことが見えてくる研究者の仕事術」が出版されます(8月21発行)。

もともと「プロフェッショナル根性論」は、私がボストンで研究者として独立する上で身をもって学んだ”学校では教えてくれないレッスン”を文章にして、多くのひとと共有する目的ではじめました。理系研究者が見過ごしがちであるが、不透明な世の中を生き抜く上で不可欠な”文系的”スキルについて短時間で学べる新書を当初は意図していました。

しかし、往々にして本は著者の意図とはやや違う方向へむかっていくと聞いてはいましたが、「プロフェッショナル根性論」にも同じことが起こったと、ご厚意により本の帯に推薦の言葉を書いた頂いた梅田望夫さんに教えていただきました:

「本書は“知的生産で飯を食う”人生を志すすべての人のためのサバイバルガイドである」

          ―『ウェブ進化論』著者,梅田望夫氏より推薦


梅田さんにご指摘していただいたように、当初理系のための文系的スキルについて書き始めました「プロフェッショナル根性論」は、内容を練り推敲を重ねるうちに理系・文系を問わず知的生産を志す人が勇気と自信をもって進めるように後押しする「やるべきことが見えてくる研究者の仕事術として生まれ変わりました。梅田さんの本質を見抜く力と、それを言葉にする文章力には感服いたします。

例えば知的生産を志すものが避けて通ることができない「創造性とは努力で高めることができるのか」という問いに関する第11章

「創造性とは? Creativity and Effectiveness:グラハム・ベルが不慮の事故で亡くなっていたら、電話は存在しなかったのか」


羊土社のホームページから立ち読みできるようになっています。

章立ては以下の通りですが、付録として「研究者の自己啓発とキャリア形成のための20冊」や「成功する恐怖」などのコラムを加えました。表紙はイラストレーター/グラフィックデザイナー・ペドロ山下さんの力強いイラストレーションをつけていただきました。

詳細は羊土社のホームページをご覧ください。

やるべきことが見えてくる研究者の仕事術

第1章:プロフェッショナル研究者への成長の道 
第2章:「 好き」よりも「得意」にこだわる仕事術 
第3章:プロダクティビティーを上げる時間管理術 
第4章:自分の世界で一番になる ニッチマーケティングで自分の研究を売り込め
第5章:批判され/批判して自分を磨く「フィードバック力」 
第6章:変化に対する苦痛・恐怖を克服する 
第7章:自分のストーリーを語る「物語力」  
第8章:説得力のあるプレゼンテーション 
第9章:日本人中年男性研究者のための英語力向上戦略
第10章:検索される自分 : 発信力 
第11章:創造性とは Creativity and Effectiveness 

付録:研究者の自己啓発とキャリア形成のための20冊
1)生産性を高めるための人生管理術の古典的自己啓発書2冊
2)コミュニケーション力とは人付き合いと人柄のことであると理解する2冊
3)プロフェッショナル研究者としての心得を学ぶ2冊
4)学校では教えてくれない“正しい” キャリアパスを知る2冊
5)起業家から失敗を恐れつつも、挑戦する方法を学ぶ2冊
6)一流のサイエンスストーリーテリングを学ぶ2冊
7)メインのメディアでは報道されないアメリカを知る2冊
8)アメリカの医療の問題点を知る2冊
9)自分の考えを人に伝えるための極意を学ぶ2冊
10)不確実な時代を生き抜くための知見を学ぶ2冊

コラム
1:35歳からの15 年間こそ自分の成長を意識した攻めのキャリアプランを
2:ラボメンバーの「強み」
3:哲学者モンテーニュも400 年前にSBA 仕事術を推薦?
4:Not to do リスト
5:「自分の世界」を設定する際に犯しやすい7つの間違い
6:自分のキャパシティーを見極める 
7:つっこみ力
8:これからの時代のビジネスに必要な学位はMBA ではなくMFA
9:「成功する恐怖」
10:変化を促進する米国流研究システム 
11:アイディアをスティキーにする方法
12:プレゼンテーションは最低3回リハーサルを
13:うまく質問するために覚えておくとよい10 のポイント
14:英語の勉強に役立つインターネットで手に入るフリーのリソース
15:メンタルトレーニング(修練の場)としてのブログ






                       


ガンジー語録(In Search of Mahatma)より:

the best way to find yourself is to

lose yourself in the service of others


自分をみつけるきっかけは自分の中にはないのかもしれません。



参考:10月2日は International Day of Non-Violence「You must be the change you want to see in the world





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ボストンもやっと暑くなってきました。沖縄美ら海水族館の「黒潮の海」大水槽で少し涼しい気分に。

Kuroshio Sea - 2nd largest aquarium tank in the world - (song is Please don't go by Barcelona) from Jon Rawlinson on Vimeo.



テーマ:創造と表現 - ジャンル:学問・文化・芸術

学校で先生が生徒を評する時も米国では「Excellent、Great、Perfect!」の連発である。ゴルフ練習場でもお父さんが小学生の息子にクラブを振らせて、ちょっとでもボールが前に転がれば、「Excellent、Great、Perfect!」を連発していた。日本人だったら上手に出来ても「よく出来た。(Well done.)」でおしまいだ。

ワシントン情報、裏Version、竹中正治:日米比較文化論編:「危機感」の島国、「希望」の大陸 via モジックス Zopeジャンキー日記アメリカ人は「希望駆動型」、日本人は「危機感駆動型」



米国では(特に公の場では)ネガティブな表現は極力避ける傾向にあります。日本人の私は、褒められているとか、高く評価されていると一見感じることが多く、気分がいいこともあるのですが、時には自分に対する評価を冷静に考えなければなりません。Very goodってどれくらいいいのでしょうか。米国の科学研究費の審査を例にあげますと......

米国政府(NIH)の科学研究費の審査は(決して完璧ではありませんが)おそらく世界で最もシステマティックで、最も厳密な制度です。申請書は通常3人のレフリーによる予備審査の後、20人程度の委員会で検討され、最終的にメンバー全員の投票の平均により最高100点から最低500点のプライオリティー・スコアで評価され順位がつきます。このプライオティー・スコアの意味するところは

* 100-150: Outstanding
* 151-200: Excellent
* 201-250: Very Good
* 251-350: Good
* 351-500: Acceptable

政府の科学研究費の伸びが鈍り、競争が激化している現在ではR01と呼ばれるスタンダードなグラントはOutstandingと評価されないとまず採択されないでしょう。151に近いExcellentならまだ可能性ありますが、Very Goodでは望みはありません。

米国の大学での人物評価にもよく似たスケールが使われること多く、ファカルティーや研究員をインタビューして人物評価を頼まれることがありますが、どの形容詞を使うか注意が必要です。本当にその人が雇ってもいいと思うくらいに優れているのならば、「Exceptional」とか「Outstanding」と表現する必要があります。「Excellent」では押しが弱いというふうにとられることもあり、言い方にもよりますが「Very Good」は「Very Good, but.....」を暗に意味していると取られることもあり、雇うのはやめた方がいいよいうメッセージとして受け取られる可能性大です。

なお、NIHの評価基準は今年から9段階評価に変更されています。

* 1. Exceptionally strong with essentially no weaknesses (Exceptional)
* 2. Extremely strong with negligible weaknesses (Outstanding)
* 3. Very strong with only some minor weaknesses (Excellent)
* 4. Strong but with numerous minor weaknesses (Very Good)
* 5. Strong but with at least one moderate weakness (Good)
* 6. Some strengths but also some moderate weaknesses (Satisfactory)
* 7. Some strengths but with at least one major weakness (Fair)
* 8. A few strengths and a few major weaknesses (Marginal)
* 9. Very few strengths and numerous major weaknesses (Poor)



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プロフィール

Motomu Shimaoka

Author:Motomu Shimaoka
島岡 要:三重大学医学部・分子病態学講座教授 10年余り麻酔科医として大学病院などに勤務後, ボストンへ研究留学し、ハーバード大学医学部・准教授としてラボ運営に奮闘する. 2011年に帰国、大阪府立成人病センター麻酔科・副部長をつとめ、臨床麻酔のできる基礎医学研究者を自称する. 専門は免疫学・細胞接着. また研究者のキャリアやスキルに関する著書に「プロフェッショナル根性・研究者の仕事術」「ハーバードでも通用した研究者の英語術」(羊土社)がある. (Photo: Liza Green@Harvard Focus)

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