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ボストンで13年働いた研究者が、アカデミック・キャリアパスで切磋琢磨する方法を発信することをめざします。
世界各地の非英語圏での英語学習欲の加熱を「English Mania」とJay Walkerは呼びます。特にこの5分あまりのビデオクリップに収録された中国の英語教育熱には圧倒されてしまいます。中国では小学3年生から英語学び始め、英語の得点を重視した数々の試験をパスしていかねばなりません。今年から中国は英語を話す世界最大の国になるようです。中国では高い英語力がよい仕事、高い収入、よい生活へとかなり直接的に反映されるのです。このビデオクリップのなかでも、

I want to speak perfect English.
I want to speak perfect English.
I want to speak perfect English.
I want to speak perfect English.


を繰り返す先生と大勢の生徒の映像はまさに「English Mania」です。

確かに「English Mania」は、単なる向上心や好奇心以上に、よりよい収入につながるという金銭的インセンティブにドライブされている側面が大いにあります。

Why English? In a single word: Opportunity. Opportunity for a better life, a job, to be able to pay for school, or put better food on the table.


しかし、Jay Walkerはもっとポジティブな視点をもっていて、

English is becoming the language of problem solving.


ネイティブな言語としての自国語はいつまでも文化や生活の基盤としての第一言語であり、英語はあくまで第二言語である。しかし同時にグローバルな言語としての英語は、グローバルな問題を解決するための共通の言葉”the language of problem solving”としての位置をつくであろうと考えているようです。



TED から引用したトランスクリプトを参考までに:

Let's talk about manias. Let's start with Beatle mania. Hysterical teenagers, crying, screaming, pandemonium. Sports mania. Deafening crowds. All for one idea. Get the ball in the net. Okay, religious mania. There's rapture. There's weeping. There's visions. Manias can be good. Manias can be alarming. Or manias can be deadly.

The world has a new mania. A mania for learning English. Listen as Chinese students practice their English by screaming it.

Teacher: ... change my life!

Students: I will change my life.

T: I don't want to let my parents down.

S: I don't want to let my parents down.

T: I don't ever want to let my country down.

S: I don't ever want to let my country down.

T: Most importantly ... S: Most importantly ...

T: I don't want to let myself down.

S: I don't want to let myself down.

Jay Walker: How many people are trying to learn English worldwide? Two billion of them.

Students: A t-shirt. A dress.

JW: In Latin America, in India, in Southeast Asia, and most of all in China. If you are a Chinese student you start learning English in the third grade, by law. That's why this year China will become the world's largest English speaking country. (Laughter) Why English? In a single word: Opportunity. Opportunity for a better life, a job, to be able to pay for school, or put better food on the table. Imagine a student taking a giant test for three full days. Her score on this one test literally determines her future. She studies 12 hours a day for three years to prepare. 25 percent of her grade is based on English. It's called the Gaokao. And 80 million high school Chinese students have already taken this grueling test. The intensity to learn English is almost unimaginable. Unless you witness it.

Teacher: Perfect! Students: Perfect!

T: Perfect! S: Perfect!

T: I want to speak perfect English.

S: I want to speak perfect English.

T: I want to speak -- S: I want to speak --

T: perfect English. S: perfect English.

T: I want to change my life!

S: I want to change my life!

JW: So is English mania good or bad? Is English a tsunami, washing away other languages? Not likely. English is the world's second language. Your native language is your life. But with English you can become part of a wider conversation. A global conversation about global problems. Like climate change or poverty. Or hunger or disease. The world has other universal languages. Mathematics is the language of science. Music is the language of emotions. And now English is becoming the language of problem solving. Not because America is pushing it. But because the world is pulling it. So English mania is a turning point. Like the harnessing of electricity in our cities, or the fall of the Berlin Wall, English represents hope for a better future. A future where the world has a common language to solve its common problems.

Thank you very much. (Applause)



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テーマ:語学の勉強 - ジャンル:学問・文化・芸術

米国のオフィスで働いてみればわかることですが、英語を話すこと以上に、メールでのやり取りとりや、書類の作成など文章での英語コミュニケーションの機会が非常に多いのです。英会話を始める動機に「街で英語で道を尋ねられたときに大丈夫なように」がありますが、グローバル化が進んでも、日本の街で英語で道を尋ねられる機会が急に増加する訳ではないでしょう。しかし、英語のメールで仕事や研究の打ち合わせをしたり、日本から英語でジョブアプリケーションやグラントプロポーサルに応募するなど、文章での英語コミュニケーションの機会はますます増加し、スキルとしての英語ライティングコミュニケーションの重要性は今後非常に高くなるはずです。

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ハーバードでも通用した 研究者のための英語コミュニケーション
グローバルな活躍をめざす研究者にとって,プレゼンテーションは自分をPRする絶好のチャンスです.一口にプレゼンテーションといっても,口頭発表だけではありません.論文や研究発表のアブストラクト,CV,e-mailなど様々な場面で,自分自身,そして自らの研究について伝え『コミュニケーション』する必要があります.
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第1回では、なぜ英語が話せないのか、またなぜ英語ライティングへとプライオリティーをシフトさせるべきなのを解説していますので、ぜひご覧ください


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プロフェッショナルとして強いキャリアを築くためには、


まず自分の小さな世界で一番になることが必要条件である
      ー自分の世界でトップになるためにすべきこと:Dip



とセスゴーディンのDipを引用して、以前のエントリーで書きました。研究者にとってこの「自分が一番になれる小さな世界」に相当する適切な言葉が「Investigational Niche」です。研究において二番煎じは原則として意味がありません。どんな些細なことでもいいので、何か新しいこと、何かオリジナルなことをなさなければなりません。激しい競争のなかで、自分が何か新しいこと、何かオリジナルなことをしていける場所(つまり、まずは研究費がとれて、論文が発表できる。そして中長期的には社会に貢献できる一次的な舞台)が「Investigational Niche」なのです。

じつは、”Investigational Niche」を確立せよ”とは、わたしが以前に研究所のボードメンバーの数年おきの審査を受けたときにもらったアドバイスです。独創的で、創造性のある研究を目指すのは非常に大切なことですが、今独立を目指している研究者への、実際的なアドバイスは”Investigational Niche」を確立せよ”だと思います。

PS:ところで、オバマ大統領の導入した新しいチャレンジグラントのアプリケーションの作成におわれて一ヶ月程ブログを更新できなかったのですが(チャレンジグラントはおそらく今までで最も競争の激しいグラントになると思われます。全米で200程度が採択されるのですが、私の所属するボストン小児病院だけでも軽く200以上のアプリケーションがサブミットされました。サブミットはオンラインなのですが、あまりに多くのアプリケーションが締め切りまぎわの数日間にアップロードされたたため、システムが一時ダウンしました。最終的な採択率は1%を切るともいわれています。)、いつも私のブログ見てくれている日本にいる母親が、私が倒れたのではと心配して電話をかけてきてくれました。ブログは安否の確認に使えるのですね......


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Motomu Shimaoka

Author:Motomu Shimaoka
島岡 要:三重大学医学部・分子病態学講座教授 10年余り麻酔科医として大学病院などに勤務後, ボストンへ研究留学し、ハーバード大学医学部・准教授としてラボ運営に奮闘する. 2011年に帰国、大阪府立成人病センター麻酔科・副部長をつとめ、臨床麻酔のできる基礎医学研究者を自称する. 専門は免疫学・細胞接着. また研究者のキャリアやスキルに関する著書に「プロフェッショナル根性・研究者の仕事術」「ハーバードでも通用した研究者の英語術」(羊土社)がある. (Photo: Liza Green@Harvard Focus)

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