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ボストンで13年働いた研究者が、アカデミック・キャリアパスで切磋琢磨する方法を発信することをめざします。
竹中平蔵・上田晋也のニッポンの作り方「消費しない20代が日本を滅ぼす!?-若者はサクセスストーリーを経験して積極的になれ!-」によれば、

「ミニマムライフ(最少限度の生活)」とよばれる最近の若者の生活様式では、「人生に手ごたえが欲しい」という意識がある反面、将来に対する危機感と不安感のため、「楽が一番」「傷つくのが嫌い」価値観が支配的で、消費が抑制されていると考察している。そして、その対策として、

上田 燃料高の影響もあったとはいえ、今年はお盆の海外旅行客も少なかったようですね。こういう若者がプラス思考に転じて、景気を盛り上げてくれる可能性はないんでしょうか?

竹中 そこで私が声を大にして言いたいことは、こういったミニマム世代の若者に「サクセスストーリーをぜひとも経験してもらいたい」ということです。



と、若者が成功体験をもつことの重要性が提案されています。成功体験が消費の増加にどの程度関与するかはさておき、成功体験が絶対にできる戦略とは:

成功するまで続ける



ことです。しかし、成功しようと挑戦すればある一定の確率で失敗するので、その失敗の恐怖と、失敗によるダメージに耐えて、成功するまで挑戦し続けるための資質を備ていなければなりません。私が考える重要な資質は次の2つです;

1)無知である。
失敗の恐怖をよく知らないうちは、あまり意識せずに大きな挑戦をしてしまうものです。いくら準備しても、将来は完全には予想しきれないので、時として不勉強が功を奏することもあります。

2)失敗できる環境にある。
失敗しても致命的なダメージを受けるリスクをヘッジできる人的ネットワーク(組織、メンター、友人/仕事仲間、家族/親戚)が不可欠です。挑戦するためには自立していることはプラスになりますが、孤立していることはマイナスです。



サクセスストーリーは計画どおりに進むドラマチックなものでも、方程式で語れるようなものでもなく、ネットワークに支えられながら、何回も挑戦しているうちに偶然に手にするものかもしれません。




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以前のエントリーで紹介した大統領にサイエンスリテラシーを要求するグラスルーツ運動ScienceDebate2008が、民主党の大統領候補オバマ氏に、サイエンスに関する14の緊急課題に関する質問をぶつけました。14の緊急課題とは:

1. Innivation
2. Climate Change
3. Energy
4. Education
5. National Security
6. Pandemics and Biosecurity
7. Genetics research
8. Stem cells
9. Ocean Health
10. Water
11. Space
12. Scientific Integrity
13. Research
14. Health



詳細はこちらをご覧いただくとして、

ScienceDebate2008:....米国が今後世界のイノベーションリーダーとして君臨するためには、どういう政策が必要か?

オバマ:...科学者やエンジニアのキャリアを志す若者の数は減少の一途であり、このままでは米国は衰退していく可能性がある(科学で学位をとる大学生の割合は30年前は米国は世界で3位であったが、現在は17位にまで落ち込んでいる)。私は基礎研究に対する予算を次の10年で2倍にまで達するように増やします。そして、ハイリスク/ハイリターンの研究に対するサポートを増やします......



と、科学研究費増加はオバマ氏の政策の一部のようです。

共和党の大統領候補マケイン氏もScienceDebate2008の質問に答えることを約束していますので、すぐに彼の科学政策の概要を知ることができるはずです....

sciencedebate2008



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プロフィール

Motomu Shimaoka

Author:Motomu Shimaoka
島岡 要:三重大学医学部・分子病態学講座教授 10年余り麻酔科医として大学病院などに勤務後, ボストンへ研究留学し、ハーバード大学医学部・准教授としてラボ運営に奮闘する. 2011年に帰国、大阪府立成人病センター麻酔科・副部長をつとめ、臨床麻酔のできる基礎医学研究者を自称する. 専門は免疫学・細胞接着. また研究者のキャリアやスキルに関する著書に「プロフェッショナル根性・研究者の仕事術」「ハーバードでも通用した研究者の英語術」(羊土社)がある. (Photo: Liza Green@Harvard Focus)

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