ボストンで13年働いた研究者が、アカデミック・キャリアパスで切磋琢磨する方法を発信することをめざします。
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25人のマッカーサーフェロー(MacArthur Fellows)が今年も発表されました。マッカーサーフェローは"genius grant"とも呼ばれ、大富豪で実業家であったJohn Donald MacArthur (1897-1978)の個人資産を元に設立されたJohn D. and Catherine T. MacArthur Foundationが選ぶ最高にクリエイティブな人物に贈られる権威あるグラントです。

“The MacArthur Fellows Program celebrates extraordinarily creative individuals who inspire new heights in human achievement,”


マッカーサーフェローは歴史と権威があるだけでなく、ある意味ミステリアスでもあり、その選考プロセスは謎に包まれています。フェローは、ある日何のまえぶれもなく、一本の電話がかかってきて受賞を知らされ、50万ドル(約5000万円)の完全に自由に使える(No strings)グラントが授与されるそうです。

2008年の25人のマッカーサーフェローは、バイオリニスト、歴史家、集中治療医、生物学者、コンピューターサイエンティスト、農業経営者などと多岐にわたり、年齢も幅広く30から70歳まで。

クリエイティブの定義は人により、状況により、時代により異なると思いますが、25人のマッカーサーフェローの業績とプロフィールから、(おそらく)米国のエスタブリッシュメントが今考える”最高にクリエイティブな人物”に現代のクリエイティブのヒントを見つけ出すことができるのではないでしょうか。


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P⋅F⋅ドラッカー曰く:

奇跡の困った点は、稀にしか起こらないことにあるのではない。あてにできないことにある。(プロフェッショナルの条件)


なるほど....
物事の本質を見抜くドラッカーの眼力にはいつもならが感心させられます。




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パラダイムを変えるような革命的な研究成果は、最初は激しい抵抗と反対に会うものです。今日ハーバードでセミナーをしたマックスプランク研究所のマイク レスは、免疫学のパラダイムを変えるかもしれない研究者のひとり。彼のリンパ活性化のメカニズムに関する仮説は何年もの間、エスタブリッシュメント側の研究者からの強い反対に会っているようですが、彼はあくまでもポジティブです。

マイク?レスによるとパラダイムシフトを引き起こすような革命的研究成果に対するエスタブリッシュメント側の研究者の反応には、3つのフェーズがあるそうです。

フェーズ1(強い否定):君の研究結果など信じない(I do not believe it
フェーズ2(無関心):君の研究結果に興味などない(It is of no interest to me)
フェーズ3(合意と共有):私たちもずっとそう思っていたんだ(We have always known it



フェーズ2と3のギャップが非常に大きいのは、研究者は自分の仮説や研究結果が間違っていたと認めたがらない人種であるためでしょうか(それだけ信念が強い...)。インパクトのある研究には忍耐力が必要で、長い道のりを辛抱強く歩かねばなりません。長い間コンセンサスやサポートが得られない状態でも、フェーズ2まで来たら道半ば以上と感じることができれば、もう少しがんばれるのではないでしょうか。



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池田信夫Blog「あなたの会社が救済される方法」:

Go Big: 自分の会社だけでなく、金融システム全体を危険にさらせ。世界130ヶ国に現地法人をもち、グローバルな金融市場を脅かすのが一番だ。........



この金融危機から何か個人のキャリア形成と危機管理に関して学べることがあれるとすれば、「独立/自立しても、孤立するな」のように思います。いかに自分の存在をコミュニティーに組み込み、運命をともにする人を何人ももつか。語弊がありますが、「自分がこければ、多くの人にも迷惑がかかるようなつながりを、遠慮せずに作ること」が最も強いセイフティーネットして機能するはずです。(ただし、このセイフティーネットは双方向性なので(セイフティーネット2.0?)、他人がこければ自分にも影響があるので、喜んでその人を助ける必要があります。)

過度の「自己責任論」に影響されて、「他人に面倒をかけられたくないが、自分も他人に面倒もかけられない」ような孤立状態に陥らないことを意識してもよいのではないでしょうか。




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先日のエントリーでとりあげた、竹中平蔵・上田晋也のニッポンの作り方「消費しない20代が日本を滅ぼす!?-若者はサクセスストーリーを経験して積極的になれ!-」など、若者の消費の減少を問題視する記事を最近よく目にします。しかし、この現象はけっして新しいことではなく、社会学者Zygmunt Bauman教授が10年前(1998年)に発表した「Work, Consumerism and the New Poor(和訳:新しい貧困、青土社)」で、「労働」から「消費」に価値観の焦点がシフトしていくことをすでに指摘しているようです。実際に本はまだ読んでいませんので、要旨から抜粋しますと:

働くことよりも消費することに価値と意味が与えられる時代。消費すらできない人たちは、社会的な役割をもちえない自由競争の敗北者として、福祉からもコミュニティからもそして 「人間の尊厳」 からも排除される・・・・・・
If "being poor" once derived its meaning from the condition of being unemployed, today it draws its meaning primarily from the plight of a flawed consumer......



わたしは(そして多くのひともおそらく)、この価値観の変化には同意できそうにありません。なぜなら、働くことにおいては、経済効果には直接的には結びつかない(ソフィアバンクの田坂氏がおっしゃるように)「個人の成長という報酬」と、それを通じた「社会への貢献(感)」が大きな意味を持つと信じているからです。労働によってお金を得て、自分や家族に必要なもののために消費することはあくまでも二次的なものであると思います。

お金はあるにこしたことはないと言いたいところですが、億万長者でない一個人が、現在の自分を肯定するための生き方のひとつが、お金や消費は最も重要な物ではないと、やせ我慢しながらでも言い張ることですので....






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羊土社の実験医学で連載中の「プロフェッショナル根性論」も第9回となり、あと第10回の最終回を残すのみとなりました。第9回「説得力のあるプレゼンテーション」に関連したウェブ連載「心に残るプレゼンテーション」がアップロードされました。

TED(Technology,Entertainment,Design)は世界トップクラスのクリエイティブでイノベーティブな人材が集いプレゼンテーションする場であり,そこではある意味、世界最上のプレゼンテーションを見ることができる....



ブログで個別に紹介してきましたが、"Art of Persuasion" ともいえる最も説得力のあるTED Talkプレゼンテーション4つをまとめました。4人のプレゼンテーションの達人に共通することは:

演壇をはなれ,全身を使ってメッセージを放っている



ボディーランゲージで、聴衆に語りかけていることです。その点に注目しつつ、どうぞこちらをご覧ください。



プロ根


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竹中平蔵・上田晋也のニッポンの作り方「消費しない20代が日本を滅ぼす!?-若者はサクセスストーリーを経験して積極的になれ!-」によれば、

「ミニマムライフ(最少限度の生活)」とよばれる最近の若者の生活様式では、「人生に手ごたえが欲しい」という意識がある反面、将来に対する危機感と不安感のため、「楽が一番」「傷つくのが嫌い」価値観が支配的で、消費が抑制されていると考察している。そして、その対策として、

上田 燃料高の影響もあったとはいえ、今年はお盆の海外旅行客も少なかったようですね。こういう若者がプラス思考に転じて、景気を盛り上げてくれる可能性はないんでしょうか?

竹中 そこで私が声を大にして言いたいことは、こういったミニマム世代の若者に「サクセスストーリーをぜひとも経験してもらいたい」ということです。



と、若者が成功体験をもつことの重要性が提案されています。成功体験が消費の増加にどの程度関与するかはさておき、成功体験が絶対にできる戦略とは:

成功するまで続ける



ことです。しかし、成功しようと挑戦すればある一定の確率で失敗するので、その失敗の恐怖と、失敗によるダメージに耐えて、成功するまで挑戦し続けるための資質を備ていなければなりません。私が考える重要な資質は次の2つです;

1)無知である。
失敗の恐怖をよく知らないうちは、あまり意識せずに大きな挑戦をしてしまうものです。いくら準備しても、将来は完全には予想しきれないので、時として不勉強が功を奏することもあります。

2)失敗できる環境にある。
失敗しても致命的なダメージを受けるリスクをヘッジできる人的ネットワーク(組織、メンター、友人/仕事仲間、家族/親戚)が不可欠です。挑戦するためには自立していることはプラスになりますが、孤立していることはマイナスです。



サクセスストーリーは計画どおりに進むドラマチックなものでも、方程式で語れるようなものでもなく、ネットワークに支えられながら、何回も挑戦しているうちに偶然に手にするものかもしれません。




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以前のエントリーで紹介した大統領にサイエンスリテラシーを要求するグラスルーツ運動ScienceDebate2008が、民主党の大統領候補オバマ氏に、サイエンスに関する14の緊急課題に関する質問をぶつけました。14の緊急課題とは:

1. Innivation
2. Climate Change
3. Energy
4. Education
5. National Security
6. Pandemics and Biosecurity
7. Genetics research
8. Stem cells
9. Ocean Health
10. Water
11. Space
12. Scientific Integrity
13. Research
14. Health



詳細はこちらをご覧いただくとして、

ScienceDebate2008:....米国が今後世界のイノベーションリーダーとして君臨するためには、どういう政策が必要か?

オバマ:...科学者やエンジニアのキャリアを志す若者の数は減少の一途であり、このままでは米国は衰退していく可能性がある(科学で学位をとる大学生の割合は30年前は米国は世界で3位であったが、現在は17位にまで落ち込んでいる)。私は基礎研究に対する予算を次の10年で2倍にまで達するように増やします。そして、ハイリスク/ハイリターンの研究に対するサポートを増やします......



と、科学研究費増加はオバマ氏の政策の一部のようです。

共和党の大統領候補マケイン氏もScienceDebate2008の質問に答えることを約束していますので、すぐに彼の科学政策の概要を知ることができるはずです....

sciencedebate2008



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元アップルコンピュータのガイ・カワサキらが審査員をつとめるワールドベスト⋅プレゼンテーション⋅コンテスト2008の結果が発表されました。昨年のベストプレゼンテーション「Shift Happens」をインパクトで上回るものはなかったように思いますが、今年のノミネート作品のなかで私が心惹かれたのは、コンテスト第二位の足元のフォトだけで綴った旅行記「Foot Notes」です。シンプルですが、クリエイティブなアイデアだと思います。

Foot Notes
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プロフィール

Motomu Shimaoka

Author:Motomu Shimaoka
島岡 要:三重大学医学部・分子病態学講座教授 10年余り麻酔科医として大学病院などに勤務後, ボストンへ研究留学し、ハーバード大学医学部・准教授としてラボ運営に奮闘する. 2011年に帰国、大阪府立成人病センター麻酔科・副部長をつとめ、臨床麻酔のできる基礎医学研究者を自称する. 専門は免疫学・細胞接着. また研究者のキャリアやスキルに関する著書に「プロフェッショナル根性・研究者の仕事術」「ハーバードでも通用した研究者の英語術」(羊土社)がある. (Photo: Liza Green@Harvard Focus)

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