人間力を磨くことが、仕事では大切であるといわれて、日本では久しいようですが、「人間力」を英語でどう表現するかなかなかよい言葉が見つかりませんでした。
若干ニュアンスは違うかもしれませんが、Wharton Schoolで Leadership Programの教鞭をとるStewart D. Friedman教授の提唱する”
Total Leadership”が”人間力”に相当するのではないかと思っています。この本は読んでいないのですが、アマゾンの紹介文から察するに
Now more than ever, your success as a leader isn't just about being a great business person. You've got to be a great person, performing well in all domains of your life -- your work, your home, your community, and your private self.
Total Leadershipは:
仕事(work)、家庭(home)、地域社会(community)、個人(private)
の4つの領域でのパフォーマンスを総合的にまとめあげたものだと考えられます。
(卵が先か、鶏が先かの問題にもなりますが)人間力(Total Leadership)は仕事/家庭/地域社会/個人の4つの分野でのWin-Winである"four-way wins"を実践することによって磨かれ、また人間力(Total Leadership)は"four-way wins"を達成できる能力であると定義することもできます。
このように人間力(Total Leadership)とは簡単に身に付くものではないし、生涯をとおして磨いていくたぐいのものであり、決して新人の採用基準に取り入れるようなものではありません(参照:
「人間力」を磨けなどと言っている場合ではない:本田 由紀氏)。
以前、
「人間力」という言葉は”哲学用語”である。
と書きましたが、Total Leadershipは曲がりなりにも
人間力を「仕事/家庭/地域社会/個人間の4分野間での"four-way wins"」を実践できる能力とアプローチ可能な形に落とし込んでいるところは評価できると思います。
ニューヨークタイムズに連載のキャリアに関するブログ
Shifting CareersでFriedman教授のLeadership Programを受講した学生がTotal Leadershipの素晴らしさを語っています。
