スポーツの世界では薬剤を用いた運動能力の不正な改善つまりドーピングが問題となり、ドーピング検査がメジャーな大会ではルーティンに行われるようになってしばらくたちます。そして今研究者の世界でのドーピング:Brain Enhancement: 薬を使って集中力や生産性を高めることが問題になり始めています。
ニューヨークタイムズの記事「
Brain Enhancement Is Wrong, Right?」によれば、ケンブリッジ大学の調査結果によると複数の研究者がナルコレプシーなどの治療に使われているサイコスティミュラント
Adderallや覚醒促進剤
Provigilを生産性を高めるために使用したことがあるそうです。(Provigil(Modafinil)のアスリートへの使用は現ドーピングとみなされています。)
もちろんアカデミックドーピングにより、研究者の健康が蝕ばまれることが最大の問題ですが、ニューヨークタイムズの同記事でFrancis Fukuyamaの著書「Our Posthuman Future: Consequences of the Biotechnology Revolution」での意見にあるように、
薬剤によるBrain Enhancementが広がれば、普通の能力(脳力)という基準が(不正に/不自然に)上げられてしまう危険があるのです。
......increased use of such drugs could raise the standard of what is considered “normal” performance....
グラントや原稿の締め切り前夜に、とびっきり濃いコーヒーや朝鮮人参エキスの入った栄養ドリンクを飲んで集中力を高めもうひと頑張りという経験がありますが、一歩間違えばドーピングの誘惑にかられる危険が自分にはないとは言い切れません....

(Credit: BENEDICT CAREY)