アカデミック・キャリアパスで研究者が切磋琢磨する方法を発信することをめざします。
自分の専門的な研究を一般の聴衆にプレゼンテーションするのは簡単ではありません。あまりにテクニカルに詳細であっても理解してもらえないし、話のレベルを落としすぎても研究の核となるメッセージが伝わらなでしょう。この困難なミッションを5分で行えと言われたら何に気をつけなければならないでしょうか。わたしは次の3つが肝だと思います:

1)Relate: まず自分の研究をだれもが知っていて興味を持つようなことに「関連」づける。イントロで聴衆を失わないためにはこれが大事でしょう。

2)Story:詳細な実験手法の説明などは一般には避けたほうが無難と考えられがちですが、むしろ実験手技の(詳細でなく)概要の説明のほうが退屈な場合が多いのではないでしょうか。逆に、超具体的な実験手法(どの試薬をどこから取り寄せて、何度で培養したなど)を生き生きと小さな「物語」として語ったほうが、聴衆の記憶に残るでしょう。

3)Context:「それで、いったいあなたの基礎研究は何の役に立つの?」基礎研究者の中には、自分の仕事は基礎研究であって「何の役に立つか」の質問には興味のないひともいるでしょう。しかし、世の中の大部分の人には「何の役に立つか」が最も重要な判断基準であり、もしあなたが政府からのグラントで研究をしているのなら、世間の納税者の方々は「何の役に立つか」と聞く権利は少なくとも持っていると理解しなければなりません。

一般聴衆への5分間プレゼンテーションの一例として、カリフォルニア工科大のPaul RothemundTEDでのトークをご覧下さい。彼は最もクリエイティブな芸術家・科学者に贈られるMacArthurグラントの受賞者であり、2006年にNatureに発表したDNAを用いたナノテクノロジーについての研究を「relate」・「story」・「context」と見事に5分で語りきっています。





テーマ:研究者の生活 - ジャンル:学問・文化・芸術

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Motomu Shimaoka

Author:Motomu Shimaoka
島岡 要:10年余り麻酔科医として大学病院などに勤務. その後, Harvard 大学医学部への研究留学を期に, 非常に迷った末に医局を離れBoston で独立することに挑戦し, 現在ラボ運営に奮闘する.「実験医学」 に”プロフェッショナル根性論”を執筆中.

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