アカデミック・キャリアパスで研究者が切磋琢磨する方法を発信することをめざします。
朝日新聞に掲載された広告「天職の見つけ方」でスポーツジャーナリスト二宮清純氏の談:

私はよくスポーツ選手を四つのランクに分けます。
 「超一流」の選手は、イチローのような、ほとんどパーフェクトな一部の天才。
 「一流」は、確実に失敗を糧にでき、次のステージに行ける人。
 「二流」は、同じ失敗を何回も繰り返す人。だから私などはたぶん二流になると思うんですけれども(笑い)。
 その下に「三流」、失敗を恐れて何もやらない人。これはどうしようもありません。「失敗をしない」ということは「成功もしない」ということですから。
 私は失敗の数だけ成功があると思っています。人それぞれやりたいことは違うと思いますが、すべてにおいて「チャレンジする」ことは尊いことだと思います。


「失敗を恐れずに挑戦する」ことは素晴らしいことでが、おそらくこれは「情熱」と「無知 (innocent)」のなせる技であり、30代前半までのアプローチであると思います。30代半ばを超え、年齢とキャリアを重ねるにつれて人は「無知」ではいられなくなり、「失敗の怖さ」を学ぶものです。30代後半になっても「情熱」を持ち続けることは「挑戦」には不可欠です。しかし、若さにまかせてがむしゃらに挑戦していた時とは違うアプローチが必要でしょう。それは「失敗を恐れながら挑戦する」ということです。

米国上院議員で、ベトナム戦争ベテランでもあるJohn McCainによれば、”勇気”とは:

勇気とは恐怖を感じないということではない。勇気とは恐怖を目の前にしてなお行動できることだ。
ーCourage is not the absence of fear, but the capacity to act despite fearsー



では、どうすれば「失敗を恐れながら」も「挑戦する」”勇気”をもつことができるのでしょうか。

ひとつは、「リスクをテイク」するのではなく「リスクをヘッジ」する術を身につけるということでしょう。リスクテイクは30代前半まで、それ以降はリスクヘッジというのが私の考えです。若いうちにリスクテイクした経験から、リスクヘッジする術を学ぶこともできるでしょう。また、リスクテイクした経験からえた人脈は、リスクヘッジする上での最も大きなファクターとなるでしょう。

もうひとつは長期的視野で考えることです。30代後半を過ぎてもまだまだ人生なかばです。わたしはJohn McCainの上記の”勇気”の定義とともに次の言葉も大好きです。

勇気ある選択をしたほうが、長期的には遥かによい結果をもたらす。
ーIn the long run, you're far better off taking the courageous path.ー


「ローリスク/ローリターン」と「ハイリスク/ハイリターン」の仕事上の選択をまえにしたとき、この言葉を思い出すようにしています。



テーマ:研究者の生活 - ジャンル:学問・文化・芸術

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プロフィール

Motomu Shimaoka

Author:Motomu Shimaoka
島岡 要:10年余り麻酔科医として大学病院などに勤務. その後, Harvard 大学医学部への研究留学を期に, 非常に迷った末に医局を離れBoston で独立することに挑戦し, 現在ラボ運営に奮闘する.「実験医学」 に”プロフェッショナル根性論”を執筆中.

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