メリル・ストリープはハリウッドを代表する演技派女優である。
ディア・ハンター(1978)、
クレーマー・クレーマー(1979、アカデミー助演女優賞受賞)、
ソフィーの選択(1982、アカデミー主演女優賞受賞)、
マディソン群の橋(1995)、そして最近では
プラダを着た悪魔などに出演し、現在円熟期にあるといえる。
メリル・ストリープはニュージャージーに生まれ育ち、ニューヨークの
Vassar Collegeでドラマを専攻した(1971年卒)。彼女が1983年に(1982年にソフィーの選択でアカデミー主演女優賞を受賞した直後の絶頂期)にalumniのひとりとしてVassar Collegeの卒業式で行ったスピーチ「
Welcome to the Big Time」は人生とキャリアに関する重要な教訓が語られている。彼女は大学で学んだ理論(ディシジョン・メイキングの方法)やスキルとナレッジで武装し、万全を期して社会に出たのであるが、次の10年に実社会で学んだことは、
Real Life is actually a lot more like high school....Excellence is not always recognized or rewarded. What we watch on our screens, whom we elect, are determined to a large extent by public polls. Looks count. A lot.
もちろん彼女の体験はハリウッドでのことであり、一般の社会にくらべて誇張されている。しかし、Harry Beckwithの「
You, Inc.: The Art of Selling Yourself」でもメリル・ストリープのこのスピーチを引用して、
実社会ではアカデミアで重視されるMasteryよりも、ハイスクールでの日常のようにPopularityが遙かに影響力がある
ことを、(とくにインテリ層は)理解しなければならないと述べている。
プロフェッショナルを目指す研究者としてはもちろんMastery(専門性をきわめること)が人生の最重要課題であるが、実社会で生きていく上では(とくにサイエンス・コミュニケーションにおいては)
”Real Life is actually a lot more like high school (R.L.H.S.)”を意識しなくてはならないであろう。
イラストレーション
FOR TIME BY LARA TOMLIN