イタリアでの学会
Brescia Anesthesia Intensive Care Neuroscience では参加者のほとんどは現役の医師である。パーティーの席で「自分は10年臨床をやっていたが、100%基礎研究に打ち込んでほぼ10年になる」というと、当然「臨床を恋しく思わないか?」「臨床と基礎研究のどちらを取るか」の話しになった。テーブルには臨床を20年やったあと、英国の有名医学雑誌ランセットのエディターをロンドンで2年した後、臨床が恋しくなりまたイタリアでの臨床に戻った麻酔科医もいた。
私も含め多くの医師(元医師)にとっては医者である(あった)ということは、とてつもなく大きなアイデンティティーのよりどころである。医師をやめたいと口では言いつつもアイデンティティーを失う恐怖に打ち勝つことは簡単ではない。
また、社会人になって最初に確立した職業観(これもアイデンティティに関係するが)の刷り込みは非常に強い(洗脳に近いかもしれない)。リプログラミングは難しく、結局ほかのことをやっても最初の職業にもどってくることが往々にしてある。
多くのひとにとって最も困難なことは「変化」することであるので、Outperformしているひとには自分を数年おきに
Re-invent できる人が多いのではないか。強烈なpersistencyで成功しているひともいるが、これは自然にdecayしマイナスに変化している自分をプラスにre-inventした結果、まったく変化していないように見える(=persistency)ともとらえられる。
さて、「臨床」か「基礎」の問題についではもちろん正しい答えなどなく個人の価値観の問題であるが、私は「臨床/基礎」は単純化すれば単なるトピックの違いで、「Outperformできるのであればどちらでもよい」と思う。
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テーマ:科学・医療・心理 - ジャンル:学問・文化・芸術