朝日新聞の記事「日本のリード、否定が半数 科学技術20年後 本社調べ」(asahi.com 2007年04月30日)
20年後、日本の科学技術が世界をリードしているとは思わない――。ものづくり、IT(情報技術)から宇宙開発まで、中国、韓国、インドなど途上国が急伸するなか、半数の人が、将来の日本の科学技術の水準に厳しい見方をしていることなどが、朝日新聞社が3月31日から翌日にかけて行った全国世論調査(電話)で明らかになった。科学技術の発展に、期待より不安を感じる人が、女性では半数にのぼった.......
米国メディアでは「Science & Technology(科学&技術)」であり 「Scientific technology(科学技術)」とはまず言わない。
両者は似ているようで本質的に異なる。「Scientific technology(科学技術)」はあくまでも「技術」だが、「Science & Technology(科学&技術)」はScience(=知識・叡智)&Technology(=知の結晶としての技術)である。
日本の多くの報道は「技術」を強調しすぎるので、これは「技術屋としての理系」の問題にすり替えられてしまう。これは叡智の問題であり理系も文系も関係ない。
危機感を持ち自分の国の将来を批判的にみることは重要かもしれないが、自分の国が叡智で他者に劣ると考えるのは強烈な劣等感であり、カンフル剤としての効果を超えて、人を無気力にしてしまうのではないか。
油断はできないが、日本でのブログスフェアのエネルギーを見る限り、私は日本が20年後叡智で世界をリードしていないとは思わない。知は力であり、価値を生み出す。「ものつくり」はあとからついてくる。