ボストンで13年働いた研究者が、アカデミック・キャリアパスで切磋琢磨する方法を発信することをめざします。
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ポスドクは独立した研究者に向けての重要なステップであり、3~5年程度の限られた時間のなかで二つの重要なことを成し遂げなければならない。第1には優れた論文のPublish、第2に独立して研究できる能力とユニークな研究テーマを見つけ出すことである。第1のインパクトの高い論文を、CellNatureScienceなどの有名誌に載せるごとは競争率の高いアイビー・リーグの大学にポジションを得るためには非常に重要なファクターである。第一と第二の点はオーバーラップする点も多いが必ずしも一致しない。例えばボス (PI)の指示通りにテクニシャンのように膨大な量の実験をこなし、その結果一流紙に論文が出ても、ユニークでオリジナルなアイデアを出す能力が育たないとでファカルティーのジョブインタビューで見抜かれてしまうだろう。

したがって、ポスドクの少なくとも後半では多少リスクを冒してでも、自分のユニークな研究テーマにつながる布石が必要である。ただ、前半ではインパクトの高い仕事になりそうなテーマなら、ポスから与えられたプロジェクトに全力投球すべきである (自分の頭で考えることを放棄してはならないが、)。

私はポスドクでは接着分子インテグリンの結晶構造解析がテーマであった。渡米する際に日本の医局での送別会で「CellNatureScienceのどれかに必ず論文を出します。もし出なかったら残りの人生はすべて臨床に捧げます。」と宣言した。自分でも100%自信があるわけではなっかたが、言葉にすれば自分を鼓舞できると思った。研究の中身を論じずにCellNatureScience論文を出すことを目標にすると言うのは議論のあるところであるが、万人に結果を判断しやすい形で提示できるという利点がある。

であるから、例えば「めざせネイテャー、ハーバード大学、研究留学」のように高いかつ具体的目標を掲げ、それを言葉にし、ブログで人目に触れるようにするのは、自分を鼓舞する非常によい方法だと思う。これは、お正月の絵馬に目標を書くのに似ている。

ちなみに私はポスドク2年目に最初の論文Natureに投稿したが2対1でレジェクトされた、しかしNature Structural Biology (現在のNature Structural and Molecular Biology)にアクセプトされたので、情熱は冷めなっかた。その後3年目に第二の仕事をCellに投稿するが3対0でレジェクトされ、PNASに救われる。そして4年目に第3の仕事をCellに投稿し、これが最終的にアクセプトされ、5年目にして宣言を現実のものとすることができた。

次の目標はもちろん、自分がラストオーサーである論文をCell、Nature、Scienceに載せることである。

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プロフィール

Motomu Shimaoka

Author:Motomu Shimaoka
島岡 要:三重大学医学部・分子病態学講座教授 10年余り麻酔科医として大学病院などに勤務後, ボストンへ研究留学し、ハーバード大学医学部・准教授としてラボ運営に奮闘する. 2011年に帰国、大阪府立成人病センター麻酔科・副部長をつとめ、臨床麻酔のできる基礎医学研究者を自称する. 専門は免疫学・細胞接着. また研究者のキャリアやスキルに関する著書に「プロフェッショナル根性・研究者の仕事術」「ハーバードでも通用した研究者の英語術」(羊土社)がある. (Photo: Liza Green@Harvard Focus)

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