娘は
ハーバード大学の免疫学の教授、父は骨を診る
ハーバード大学医学部整形外科教授、この二人の
コラボレーションによる文字どおりの
骨免疫学「
Osteoimmunology」の仕事を紹介したい。
ハーバード大学教授で免疫学の第一人者のひとり Laurie H. Glimcher博士が、本日CBR Institute で行った講演 "Schnurri-3: a Regulator of both Bone cells and B cells"についてお話したい。この仕事は昨年サイエンス誌に掲載された素晴らしい
ブレイク・スルーであるが、今回はこの研究にまつわる非常に面白いエピソードも聞くことができた。
研究の要旨は、「免疫系の細胞に発現している細胞内分子(アダプタータンパク) Schnurri-3の機能を調べるために、
ノックアウトマウスを作ったところ、免疫系の欠損はたいしたことはなかっが、予想に反して骨に大きな異常(骨量の著しい増加)が認められた。詳細な検討の結果、Schnurri-3は(E3 ubiquitin ligase WWP1 と Runx2を介して)骨を作る骨芽細胞を負に制御している事がわかった。この発見は骨粗相症などの新しい治療法の開発に役立つ可能性がある。」というものである。
エピソードであるが、最初はこの
ノックアウトマウスはこれと言った異常を示さず、研究を担当する大学院生は苦労していた。免疫系の細胞を調べるためには骨髄から細胞を採取するが、彼はなかなかうまく骨髄細胞を採取できずにいた。彼は自分のやり方が悪いと思っていたようだが、それを聞いた Laurie H.Glimcher博士に骨の異常の可能性がひらめいた。すぐに整形外科医で
ハーバード大学医学部教授の父 Melvin J. Glimcher博士に相談し、
ノックアウトマウスのレントゲン写真をとったところ、異常に亢進した骨の石灰化・骨量の増加とそれによる骨髄腔の著しい減少がみられた(骨髄細胞が採取できないわけである)。これが一連の
ブレイク・スルーの経緯である。
Laurie H. Glimcher博士は成功の鍵は
「自分の研究領域がなんであれ、そのノックアウトマウスの最も顕著な異常所見に焦点を当てること」と言った。これは研究者の側からでなく
ノックアウトマウスから見たStrength-basedアプローチである。参考:
Jones DC, Wein MN, Oukka M, Hofstaetter JG, Glimcher MJ, Glimcher LH. Regulation of adult bone mass by the zinc finger adapter protein Schnurri-3. Science. 2006 May 26;312(5777):1223-7. (
http://www.sciencemag.org/cgi/content/full/312/5777/1223) (Click Free Abstract)
Laurie H. Glimcher (
http://www.hsph.harvard.edu/faculty/LaurieGlimcher.html)
Melvin J. Glimcher (
http://www.childrenshospital.org/cfapps/research/data_admin/Site176/mainpageS176P0.html)
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