アカデミック・キャリアパスで研究者が切磋琢磨する方法を発信することをめざします。
2/1のエントリーで書いたが、Harvard University Extension Schoolの’ミニMBAコース’に毎週通っている。(http://harvardmedblog.blog90.fc2.com/blog-entry-10.html) 今日はマサテューセッツのケンブリッジ市に本社を置くバイオテクのBiogen IDECからRegulatory Issueのディレクターを講師に招いての2時間のレクチャーであった。Biogen IDECは多発性硬化症に対する治療薬Interferon beta-1 (AVONEX)で有名であるが、より最近はIntegrin VLA-4に対する抗体 natalizumab (TYSABRI)が多発性硬化症に対して劇的な効果を示しつつも、少数の患者を Progressive Mutifocal Leukoencephalopathy (PML)で亡くしたために、一時的に販売中止になった事が記憶に新しい。(http://www.fda.gov/cder/drug/advisory/natalizumab.htm)

本日の講義ではAVONEXやTYSABRIには直接触れずに、pre-clinicalからphase I, II, III clinical trialの過程で regulatory agencyであるFDAといかに交渉するかについての実践的な内容についてのレクチャーがあった。さて、授業中には積極的に質問することが大切である。このコースの成績は、授業中の発言(15%)、試験(20%)、宿題(15%)、レポート(25%)、グループワーク(25%)で評価される。よい成績を取ることは自己満足としても大事であるが、最低でも「可」の成績を取らないと授業料は全額自腹になる。(ハーバード大学医学部関連の多くの病院や研究所では、福利厚生の一環として年間3−5000ドル程度を生涯学習のために使える。ほとんどの場合「可」の成績をとることがreimbursementの条件である。)

授業中は質問をするにも競争が激しい。多くの生徒は米国での教育を受けてきているので、まったく「shy」なところがなく、どんな小さな事でも自分のペースでバシバシ質問する。私も自分のcomfortable zoneから出て、必死で手をあげるが、周りの勢いに圧倒されなかなか指名されない。しかし、根気強く手をあげ続けた末、2時間授業の終了5分前になってやっと初めて指名され発言することができた。どうしてか?それは多くの米国人は意外に持久力や根気がなく、終了5分前ごろには持久力を欠き、別のことを考えているからである。

私を含め多くの日本人研究者は「shy」で人前で発言するのに非常な努力をしいられ、積極性では米国人に見劣りする。しかし、持久力では負けない。多少理不尽な状況でもだっまて耐える力がある。ここでも重要なのはStrength-based アプローチである。(http://harvardmedblog.blog90.fc2.com/blog-entry-4.html) 非常な努力をすれば米国人と同じ程度に英語を話し、社交的になれるかもしれないが、それ以上になることはかなり難しい。それよりも「忍耐持久力」という多くの日本人がもつStrength=美徳に投資する方が、長期的にははるかにリターンは大きい。

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Motomu Shimaoka

Author:Motomu Shimaoka
島岡 要:10年余り麻酔科医として大学病院などに勤務. その後, Harvard 大学医学部への研究留学を期に, 非常に迷った末に医局を離れBoston で独立することに挑戦し, 現在ラボ運営に奮闘する.「実験医学」 に”プロフェッショナル根性論”を執筆中.

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