アカデミック・キャリアパスで研究者が切磋琢磨する方法を発信することをめざします。
今日は4つの研究室が参加するジョイント・ラボミーティングであった。ハーバード大学医学部のロングウッドキャンパスにあるCBR Instituteと Dana-Faber Cancer Instituteからの4つの研究室で「Integrins and Modular Surface Proteins in Vasculature」というProgram Project Grant (PPG, 日本のCOEに相当)をNIHのNHLBIよりもらっている。年間数億円単位の研究費を使用しているのでプレッシャーも大きく、お互いの進行状況を月に一度集まって、データ・プレゼンテーションをしてプロジェクトの方向性を検討し合っている。お互いによく知っているメンバーなので、遠慮はなく時として質問やコメントは辛辣になることもある。

データ・プレゼンテーションを含めたPublic Speakingは、人が恐怖を感じる最大の物のひとつであ。統計では「人前で話す恐怖」は、常に「死の恐怖」より上位にくるらしい。「人前で話す恐怖」の大きな原因のひとつが、「批判される恐怖」である。自分のデータを否定されたり、まったく返答できないような質問をされたらどうしようかと多くの人は心配するのではないか。

しかし、少し視点を変えてみると、正当な批判ほど貴重なものはない。その批判にもとづきデータを修正・追加することで論文やグラントが改善され、アクセプトされやすくなり得る。それなのにどうして批判を怖がるのであろうか。それは自尊心が傷つくからである。しかし、自分の論文が改善される機会と、自尊心とどちらが大切であろうか。もちろん、研究者にとって大切なのは論文の質の向上である。

プレゼンテーションのまえに自分に言い聞かしていることがある。もし唯一の悪影響が自尊心が傷つくことであるならば、批判を進んで受けよう。正当な批判は改善のための貴重な機会である。(と言いつつも、いつも批判で蜂の巣になったあとは、しばらく放心状態になる。)

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テーマ:研究者の生活 - ジャンル:学問・文化・芸術

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Motomu Shimaoka

Author:Motomu Shimaoka
島岡 要:10年余り麻酔科医として大学病院などに勤務. その後, Harvard 大学医学部への研究留学を期に, 非常に迷った末に医局を離れBoston で独立することに挑戦し, 現在ラボ運営に奮闘する.「実験医学」 に”プロフェッショナル根性論”を執筆. (Photo: Liza Green@Harvard Focus)

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