ボストンで13年働いた研究者が、アカデミック・キャリアパスで切磋琢磨する方法を発信することをめざします。
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在米9年目になるが、英語には苦労した。アメリカに3年もいれば、結構うまくなると日本では思っていたが、あまかったようだ。私見ではあるがハーバード大学医学部にくる外国人研究者が英語(会話)で苦労するリスクファクターは:
1)日本人
2)男性
3)30歳以上
4)立食パーティーが苦手だ
であり、私は不幸にもすべてにあてはまる。英語を読む・書く・聞く・話す力はすべて大事であり、それぞれがinter-connectしているので総合的に勉強しなくてはならないというのが正論であるが、話す力が最も重要であり、多くの日本人男性にはこれが最も難しい。英語を読むことは自分のペースでできるし、書くことはエディトリアルサービスを利用することもできる。しかし、話せないと人からの信頼を得て、コミュニティーの一員になることはまずできない。

英語の勉強法に関しては、留学していらっしゃる方々皆さん一家言あると思う。たとえば、映画やテレビドラマで日常会話になじむ、CNNニュースやNY Timesを聞き流す、英会話学校へ行く、異性の友人をつくるなど人それぞれいろいろなアプローチがあり、どんな方法で続ければなんらかの効果はあると思う。

しかし、日本人中年男性研究者は英語を勉強するために米国に来たのではない。自分のキャリア・アップにきたのであり、英語でコミュニケーションする能力の習得は、自己実現のための手段であり、悠長なことはいってられない。そこで、私の信じるサバイバル英語学習術を紹介する。

この方法のロジックはいったてシンプルで、目的は「研究室で仕事をするための英会話力」をつけるためには「研究室で英会話をする」しかないということである。映画やニュースを使って遠回りする必要はない。「研究室で英会話をする」方法は正攻法と裏技の二つがある。

正攻法は自分の人間力を使う方法である。われわれ日本人中年男性研究者は英語が苦手なことを除けば、数多くの知恵と人生経験をもっている。まわりがそれを認識し、その知識を必要とするならば、人は話かけてくるし、日本人中年男性研究者の話をじっと聞く。たとえば、普段の雑談ではとりつく島もなく、聞き役専門の日本人中年男性研究者であるが、彼が詳しい実験の方法については、みんなが彼に教えを請い、彼の下手な英語をだっまて聞く。わかるまで質問し、感謝して帰って行く。中年男性研究者、自分の思っていることをトランスクリプトなしに話し、それをまわりが聞いてくれることがどんなに気持ちいいことかを体験する(日本にいて、当然のように日本語を話しているときにはわからなっかた)。この成功体験を繰り返すのが、日本人中年男性研究者が「研究室で仕事をするための英会話力」を磨くための最短の、そしてたぶん最良の方法である。

私は、テクニシャンを雇ってから、英語が上達した。私のテクニシャンはカッレジを出てすぐの社会人1年目であったので、私がすべて教えなければならなかった。どんなにゆっくり話しても彼女は私の話をメモを取りながら聞いてくれた(わたしがスーパーバイザーであるので当然ではあるが)。これは私には一つの成功体験である。

人間力に自信がないという人には裏技がある。英語を話す機会が少ない原因は、周りが自分より英語がうまく、つねに聞き役にまわってしまうことである。聞いているだけでは絶対にうまくならない。会話はキャッチボールなので聞くのと同じ以上に話さないとコミュニケーションの力はつかない。では、どうすればよいか。それは自分より英語の下手なひとをみつけて、その人にとにかく英語で話しまくることである。ひどいと思うかもしれないが、相手にもけっしてマイナスにはなっていない。(共にプラスであるが、たくさんしゃべったほうにより高いトレーニング効果がある。)

英語学習においても1/26 (http://harvardmedblog.blog90.fc2.com/blog-entry-4.html)のエントリーで話したStrengths-based アプローチが有効である。英語という弱点を補強しても決してネイティブの足元にもおよばない。しかし、日本人中年男性研究者は知識・経験ではハーバードの大学院生にあっさりと負けたりはしない。知識・経験というStrengthsの上に立てば、英語が完璧でなくとも、周りのひとは喜んで(または辛抱して)あなたの話を聞く、そしてあなたのキャリアはアップする:Mission Completed!!
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プロフィール

Motomu Shimaoka

Author:Motomu Shimaoka
島岡 要:三重大学医学部・分子病態学講座教授 10年余り麻酔科医として大学病院などに勤務後, ボストンへ研究留学し、ハーバード大学医学部・准教授としてラボ運営に奮闘する. 2011年に帰国、大阪府立成人病センター麻酔科・副部長をつとめ、臨床麻酔のできる基礎医学研究者を自称する. 専門は免疫学・細胞接着. また研究者のキャリアやスキルに関する著書に「プロフェッショナル根性・研究者の仕事術」「ハーバードでも通用した研究者の英語術」(羊土社)がある. (Photo: Liza Green@Harvard Focus)

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