ボストンで13年働いた研究者が、アカデミック・キャリアパスで切磋琢磨する方法を発信することをめざします。
M.D.や Ph.D.がM.B.A.を取ることは研究者のキャリア・パスに有利にはたらくのであろか。また、M.B.A.で得られた知識・スキル・人脈はアカデミックキャリアにどれほど役に立つのであろうか。

まず、経済的に概算してみると、M.B.A.を取るための学費が年間6万ドルX2年=12万ドル、2年間フルタイムで通学するためには仕事を辞めなければならないので、ポスドクの給料を年間4万ドルX2年=8万ドルがOpportunity Cost として失われるので、トータルでの損出は12+8=20万ドル(以上)となる。

はたして、これに見合うだけのものがアカデミックキャリアでどれだけ得られるであろうか。これは、人それぞれであると思うが、例えばM.D., Ph.DがM.B.A.をとってM.D., Ph.D.,M.B.A.になればそれだけで今は希少価値があり、業界で注目はされるであろう。

こういう私も実はM.B.A.に興味があり、M.B.A.のマネージメントスキルが研究室や大学の運営に役に立つとと考え、Boston University, Northeastern University, Babson College などのM.B.A.説明会に参加したことがある。そして、Part Time プログラムで夕方からと週末の授業で3年でM.B.A.をとることを真剣に考えた。

今でも、M.B.A.のマネージメントスキルが研究室・研究所運営に役立つという考えは変わっていないが、時間と費用のことを考え、実際的にはHarvard University Extension Schoolでビジネスマネージメントのコース、いわゆるミニM.B.A.コースをとることにした。コースはDr. Lydia Harrisが教える「Biotechnology Project Management」である。授業は週一回ケンブリッジにあるMassachusetts Biotechnology Council のオフィスで行われる。

昨日が第一回目の授業であったが、定員25人のところへ50人以上が応募し25人以上がウエイティングリストにのるという大盛況ぶりである。一回でも休めばはじき出されて自分の籍はなくなる。参加者のほとんどがボストン・ケンブリッジ周辺の製薬会社やバイオテクの出身で、アカデミアからは私を含め数人だけであった。最初のクラスなので全員が自己紹介をしたが、多くの人がマネージメントスキルを身に付けることがキャリアアップにつながると考え、このクラスを受講している。

第一回のクラスでは、イントロとしてR&D (Research & Development) の概要とpre-clinical から Phase III & IV clinical trial の流れ、さらにこの過程におけるマネージメントの役割のレクチャーがあった。毎週宿題が出され、来週までにレポートと7編のマネージメントに関する課題論文を読まなければならない。半年のコースであるが、落ちこぼれずについていけるか、また本当に役に立つことが学べるのかなどブログで報告していきたい。
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プロフィール

Motomu Shimaoka

Author:Motomu Shimaoka
島岡 要:三重大学医学部・分子病態学講座教授 10年余り麻酔科医として大学病院などに勤務後, ボストンへ研究留学し、ハーバード大学医学部・准教授としてラボ運営に奮闘する. 2011年に帰国、大阪府立成人病センター麻酔科・副部長をつとめ、臨床麻酔のできる基礎医学研究者を自称する. 専門は免疫学・細胞接着. また研究者のキャリアやスキルに関する著書に「プロフェッショナル根性・研究者の仕事術」「ハーバードでも通用した研究者の英語術」(羊土社)がある. (Photo: Liza Green@Harvard Focus)

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