ボストンで13年働いた研究者が、アカデミック・キャリアパスで切磋琢磨する方法を発信することをめざします。
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1月23日のエントリー「研究者としての独立Change or Die <http://harvardmedblog.blog90.fc2.com/blog-entry-1.html#more>」で大学院生からポスドクへ、ポスドクからPIへと少なくとも2回研究プロジェクトを変更する必要があると述べました。ほんとに強い興味があるのならば全く違うプロジェクトに挑戦するのもよいでしょう。しかし、自分のStrengthsを生かしつつ、[Zoom]していく具体的なアプローチとして私が薦めるのは、プロジェクトの「研究テーマ」または「研究手法」のどちらか一方で、新たな領域に挑戦するというものです。

例えば「Oncogene」を「ノックアウトマウス」で研究してきたのなら、テーマは同じで手法を変える、つまり「Oncogene」を「ゼブラフィッシュ」や「結晶構造解析」で研究するか、逆に研究手技は同じ「ノックアウトマウス」を使い、違ったテーマ「神経の発生」や「脂質代謝」などを研究するという具合です。これは[Zoom]より一歩進んだ「一方の足は支点として動かさず、片足だけ動かす方法ですので、ここでは[Zoom Plus]と呼ぶことにします。(注:[Zoom]とは両足とも動かさずに手だけ伸ばして変化を享受するという、「変化」に対するほとんどストレスフリーのトレーニングです)。[Zoom Plus]では変化のための苦しみは伴いますが、自分のStrengthsのうえに立つことで、短期間で成長することができるので、「変化の痛み」を「成長の喜び」にかえることができます。

私は大学院では、「接着分子」を「ウサギ」で研究していました。ポスドクでは「接着分子」に「結晶構造解析」の手法でとり組みました。PIとしては「接着分子」を標的にした「ドラッグデリバリー(ケミカル・エンジニアリング)」に挑戦しています。このように振り返ってみると結果的に[Zoom Plus]を実践してきたことになります。

とくに、PIとして独立する際には、全く今までの仕事と関係のないプロジェクトでは、業績(発表論文)がないのでNIHグラントをとるのが困難ですし、ポスドクのときと同じようなことをしていたのではボスが直接の競争相手になってしまいます。その意味で[Zoom Plus]を使えば、ポスドクの業績を生かしつつ、ボスとの直接対決を避けることができます。

ぜひ、[Zoom Plus]を試してください。
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プロフィール

Motomu Shimaoka

Author:Motomu Shimaoka
島岡 要:三重大学医学部・分子病態学講座教授 10年余り麻酔科医として大学病院などに勤務後, ボストンへ研究留学し、ハーバード大学医学部・准教授としてラボ運営に奮闘する. 2011年に帰国、大阪府立成人病センター麻酔科・副部長をつとめ、臨床麻酔のできる基礎医学研究者を自称する. 専門は免疫学・細胞接着. また研究者のキャリアやスキルに関する著書に「プロフェッショナル根性・研究者の仕事術」「ハーバードでも通用した研究者の英語術」(羊土社)がある. (Photo: Liza Green@Harvard Focus)

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