4月2日の小出裕章氏(京都大学原子炉実験所助教)が、神保氏の電話インタビューで福島原発の展望についてコメントしています。前回のエントリーで書いたように、小出氏は1週間前のインタビューで2つの最悪のシナリオを提示していましたが、現在は「第2の最悪のシナリオよりは少しはましな状態」、すなはち「大きな爆発的事象はさけられるが、原発の安定化には、経済的にも人的にも高コストの冷却作業を、長期間にわたり必要とし、その間放射性物質が環境に垂れ流しになる」状態に近づきつつあると認識しています。福島原発は決して落ち着きつつあるのではなく、けんめいの冷却作業により何とか下り坂を転げ落ちるのをこらえている状態であるのです。この認識はIAEAが、ずっと「Overall at the Fukushima Daiichi plant, the situation remains very serious.」と評価していること一致します(IAEAが公表している福島原発1-6号炉の4月2日付けの評価スライドを下にしめします。)
ワシントンDC経由で日本に帰ってきました。ボストンのローガン国際空港ではチェックインのときに、いつもビジネス・ライクで必要最低限のことしか話さないユナイテッド航空の職員が、パスポートを見て私が日本人だとわかると「Is your family OK?」と聞いてくれた。3・11後は米国の友人やハーバード大学の同僚だけでなく、見ず知らずの方から、日本のことは心配してるよと声をかけられる事がしばしばあります。